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【読書メモ】岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

会社の人に猛烈に勧められて。

小中学生時代、任天堂様にはお世話になりました。それほどゲーマーというわけではなかったけれど、ファミコン、スーパーファミコンは、間違いなく少年期の思い出の一部を形作っています。

そんな任天堂を長年支え、引っ張ってきた岩田さんの発言録。全般に優しい本でした。心に留めたい言葉をいくつか。

人と人が一緒に仕事をする最低限、苦手だろうがなんだろうが、やってもらわないと困るということを決めないと一緒に働けないんですね。というときに、その「最低限のこと」をなるべくちいさくすることが、経営者としてただしいんじゃないかなとわたしは思うんです。

「好きなことだけやればいい」という考え方もあるし、岩田さんもそれは理想と考えている。でも、現実には嫌いなこともやらなければならないし、我慢もしなければならない。だからこそ評価軸をしっかり定め、共有することが大切と。

世の中のありとあらゆる改革は現状否定から入ってしまいがちですが、そうするとすごくアンハッピーになる人もたくさんいると思うんです。だって現状をつくあげるために、たくさんの人が善意と誠実な熱意でやってきたわけでしょう?

…たしかに。たとえ時代にそぐわなくなってきたとしても、そのときそのときにベストを尽くそうとしてきた人を否定してはいけない。間違っても「否定を目的化」してはならない。岩田さんの言う「とても微妙な舵取り」をしながら、理解・共感を少しずつ広げていくしかない。

余談ですが、わたし、いまよりずっと若いころ、自分がものすごく忙しく感じていたころに、「自分のコピーがあと3人いればいいのに」って思ったことがあるんです。でも、いま振り返ると、なんて傲慢でなんて視野の狭い発想だったんだろうって、思うんですよ。

うー、耳が痛い。大きな目標を達成するためには、個性とエネルギーを掛け合わせなければならない。一人ひとりの異なる強みを生かすためにも、違いをきちんと理解し、敬意を払うこと。

そうすると、やっぱり、自分の有限の時間やエネルギーをどこに向けるべきなんだろうかということになる。突き詰めて考えていくと、「自分が生まれてきた意味」というところまで行っちゃったりします。

岩田さんは「正しさ」よりも「周りの人を喜ばせたい」に価値を置き、それをエネルギー源としていた。その前提で行動の優先順位をつけていく。なんでもかんでもやろうとすると、時間が足りなくなるのはもちろんのこと、丁寧さや深さに欠けることになり、副次的な産物も期待できなくなる。後悔しないためには優先順位をつけていくことが重要。

ほんとうは「お客さんがこう反応する」っていう事実があって、「それはなぜだろう?」という問いかけがあって、そこではじめて「じゃあ、どうすれば根っこの問題が解決できるだろう?」って考えなきゃいけないのに、「オレはこう思う!」という、事実と仮説をグチャグチャに混ぜた意見を押し通してしまうことが多いんですね。

「根拠なきお客様代表意識」のつくり手は多い。自分なりのマーケットイン発想の方法を編み出さなければならない。

そもそも、ライトユーザーとかコアユーザーとかを、切り離して考えるべきではないとわたしは思うんです。だって、全員、最初はライトユーザーじゃないですか。

ライトユーザーを引き込む仕組みも、コアユーザーを満足させ続ける仕組みも必要。どちらも追い求めるべきだし、ライトユーザーなくして成長はないことは肝に銘じなければならない(一方で、初期からのコアユーザーに敬意を払い感謝することの大切さも岩田さんは訴えている)。

人によって響くポイントはいろいろでしょうが、腹落ちする言葉が散りばめられている一冊なのは間違いありません。岩田さん、ありがとうございました。

***ちなみに***
娘がNintendo Switchを欲しがっており、貯金に励んでいます。ゲームを卒業して久しい私はあまり関心持っていませんでした…が、岩田さんが完成を見ることのできなかった、でも岩田さんの哲学が詰まっているであろう最新ゲーム機…ちょっとやってみたいかも…

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