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0 / 青葉市子(2013)

青葉市子 4th album(2013)

3rd album『うたびこ』より1年9ヶ月ぶりのオリジナルアルバムにして、青葉市子のメジャー第1弾。

1.いきのこり●ぼくら
2.i am POD (0%)
3.Mars 2027
4.いりぐち でぐち
5.うたのけはい
6.機械仕掛乃宇宙
7.四月の支度
8.はるなつあきふゆ

 

 

6th Album『qp』リリース記念!

青葉市子の楽曲との出会いは、NHKの不可思議なアニメーション『ムズムズエイティーン』という、18歳の、大人でもない子供でもないムズムズをアニメした作品。

たまたまTVをザッピングしている際、この番組のOPテーマ『うたのけはい』が、耳に飛び込んで来たのがきっかけ。

いやはや衝撃でした。

優しいのに、柔らかいのに、衝撃的。

 

『なんやこの曲は。』

 

自分にとって一番気持ちいい響きでした。

優しいクラシックギター(と、フォークギターの二重奏?)の、シンプルかつリズミカルで疾走感のある音に、これでもかってくらい透明な歌声・・・。 

柔らかいのにシャープで軽やかなメロディ。

浮遊感。

 

ザッピングの手を止め、聴き惚れてしまいました。

そして、TV画面には謎の多いアニメーションが流れていましたが、手がかりを失う前にスマートフォンを操り、その歌の主が『青葉市子』氏だと突き止めました。

そして、翌日にタワレコに行きました。

 

 

「この人凄いな。」と思ったのは実はそのあと。

本当の青葉市子の世界に、購入した『0』を聴いて初めて触れ、そして没入。

『おとのけはい』の延長線で想像した青葉市子の音楽より、遥かに奥深く魅惑的で、その音の情緒は斬新な世界観や風景を形成していました。

(『おとのけはい』は、『0』の中でもとびきりキャッチーな楽曲で、他の曲とは少し異彩を放っている印象。)

以降、他のアルバムを聴いたときはもちろん、楽曲提供したCMを耳にするたびに、まさに『聴き惚れる』のです。

世界観が素晴らしいので、映画を観る感覚で、残響が聴こえるくらいの少し大きめの音で、ぜひじっくり聴いてみてほしい作品です。

若い小劇場系劇団が、好んで多用してそう。

 

 

【藤江なるしのお薦め曲紹介】

1.いきのこり●ぼくら

導入、箏のような流麗なギターから始まり、そこからテクテクと歩くようなリズミカルな音に変わります。

PVを見ているからか、歌詞の内容からか、薄闇を進む2人の印象。

何処かを目指しているのか、はたまた何かから逃れたいのか・・・歌詞の内容はかなりヘビィなようでもありますが、曲自体は意外と軽やかで前向きな印象。『ぼくら』だからね。孤独感というよりは、2人の安心感なのかな?

自分が来た眼下の世界を『死者の国』とし、ぼくらがたどり着いた地で『命の温かみ』を感じるとは、比喩と捉えるも世界観として愉しむも、これは聴き手の感じるまま。

 

ボストンバッグには、3日間の服とあの子の写真♪

「ヒュ〜♪」

が、可愛い。密かに気に入ってます。

 

 

4.いりぐち でぐち

③④は、国東半島旧第六トンネルでのフィールドレコーディング。

なので、風の音やコウモリの「キキキキ・・・」という鳴き声、独特の反響音など、スタジオ収録ではあり得ない音が、愉しいし癒やしも感じます。ある意味アンビエントミュージックですね(笑)

歌自体も即興なので、青葉市子氏のクリアな声も相まって、なんだか、環境音と溶け合うような感覚もありますね。

 

 

5.うたのけはい

※LIVE音声なのでCDとは少し異なります。

こういうのは『多重録音』と言うのだろうか、1人ユニゾンのように、青葉市子氏が2人で歌っているように、ふくよかで不思議な響き。

ギターは、ガットギターとフォークギターの二重奏かな。

浮遊感がすごく気持ちの良い曲です。

2分少々という短めの曲なので、いつももうちょっと聴いていたい。。。

 

 

6.機械仕掛乃宇宙

※LIVE音声なのでCDとは少し異なります。

2曲ある山田庵巳のカヴァー曲のうちの一曲。

もう一つは⑧。

原曲は聴いたことないですが・・・これは。凄い。
(山田庵巳氏のこの曲は即興的要素も強く演奏するたびにどんどん姿を変えるそうです。)

青葉市子氏にとって「大切すぎて誰にも聴かせたくない」とさえ思っていた曲だそうですが、『0』を制作をしていく中で「音楽が一番輝く瞬間により近付ける方法がわかって、この状況なら」と演奏したそうです。

前述の通り、山田氏の原曲はどんどん移ろいでいくそうで、このカヴァーは2007年に鳴っていた『機械仕掛乃宇宙』だそうです。

10分を超える長尺の中に、様々な側面・・・もちろん音もだし感情や映像が、目まぐるしく移ろいゆく複雑な曲を、エモーショナルに、しかも途切れることなく一筆書きで描ききる青葉市子に、CDで聴いているのに思わずスタンディングオベーションしそうになる!

いや、ほんと、凄いの一言。

ぜひ聴いてほしい。他の曲もやけど。

 

「そーれーはー♪」

「メリクリウスナントカカントカジュフィテリスウンタラカンタラ〜♪」

が、どういう意味なんか知りたい。

誰にも内緒にするから。

 

 

以上、ご興味ありましたら、ぜひ聴いてみてください!

新譜『qp』も聴き込んだら、また感想を書きます。

歌詞カードも手書きで愉しい。

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