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おばあちゃんの遺伝子

幼い頃、頼んでもいないのに
おばあちゃんがいつも
ジブリやドラえもん
ディズニーやルパン三世
インディージョーンズやスターウォーズ
いろいろなアニメや映画を
録画してくれたり
博物館や美術館の
チケットを取ってくれたりしていた。

おばあちゃん自身が
価値を感じていた感性みたいなものを
私の中で育てようと
してくれていたのかもしれない。

おばあちゃんは
お裁縫や絵を描くことが好きで
お料理などの
家事全般が苦手だった。

なんだかその遺伝子を
私が色濃く受け継いでしまった感がある。

そう感じるのは
お裁縫が苦手な私が
なぜか針で糸を
布に刺していく動作が
好きでたまらないこと。

刺繍の図案を
自分で描くのが楽しいこと
そして
お料理が苦手なこと(笑)
などが理由だ。

外交的で
人と会うのが大好きな両親には
川や海で泳いだり
バーベキューやスキーなど
自然の中で楽しむ経験をさせてもらった。

透きとおった青や緑の
美しくゆらめく水の中で
流れに身を任せて泳ぐ
その気持ちの良さ。

くわえタバコの母が
大きな鉄板で
大量の焼きそばを焼く
男前な姿に
ビックリしたこと。

幼い私には
歩きにくい雪の上を
さらに歩きにくい
スキー用のブーツを履いて
板を運ぶのがしんどくて
泣きながら歩いていたっけ。

今考えれば
とてつもなくバランスのとれた
良い経験をたくさんさせてもらった
幼少期だったのではないだろうか。

両親と祖父母の
仲は良くなかったから
それで悩んだこともあったけれど
私はすごく恵まれていたのだな、と思う。

私が結婚するとき
「複雑な家庭環境で育ったから…」と
母も言っていたけれど
そんなことは
本当にちっぽけなこと。

今までの全てが
この私を形作ってくれていることに
感謝しかない。

なぜか、ふと思った。

今この世にいない
おばあちゃんは私の中で
絵を描いて
針と糸を使って
楽しんでいるんじゃないかな
なんて。


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