見出し画像

【シリーズ最終回】アラサー婚活女子の婚活が終わった話

「月が綺麗ですね」と言われた日から、
次の約束までは約2週間ありました。

毎日LINEをし、数日に一回は電話をします。
電話をするといつも、気付けば日付が変わっていました。

「月が綺麗ですね」
と言われたので、それはもう告白として受け取っていたのですが、
彼は、「ちゃんとまたはっきり言うから」と言います。

というのも、
「お付き合いを始める前に、伝えなければならないことがある」とのこと。

……あれ?どこかで聞いたことがあるフレーズ。
そういえば、《山本(仮名)》くんも、似たようなことを言っていたっけ。⬇参照「元カノの話」

もし彼に、《山本(仮名)》と同じような問題があるのなら……。
こんなに素晴らしい人に見えるけれど、
やっぱりお断りしなければならない。

そんなことを思いながら、
「え、なに?どんなこと?」
と聞いてみると、
本当は会ったときに言おうと思っていたけど……
と言いながら、彼が教えてくれました。

僕の両親は耳が聞こえない
付き合うなら結婚前提だけど
将来、障がいを持つ人の家族になるから
先に話しておかないとと思って。

いやもう!!!
そんなこと!!!!!
……と、もちろん彼にとっては「そんなこと」ではないので、言わなかった(はず)ですが、
一瞬でも《山本(仮名)》と同じような状況が……?
などと疑ってごめんなさい!!
と心の中で謝罪し、
彼の誠実さにまた感動していたのでした。

結局わたしたちは、次に会う約束を一週間早め、
初デートの次の土曜、
大阪市内の、とある公園内のベンチに座って話していました。

「結婚前提で付き合ってほしい」
と言われて、もちろん即OK。

電話も何度も、何時間もしましたし、
実際にデートしたのは一回ですが、
あの長い時間のデートも飽きませんでした。

これ以上の人は、きっと現れない
そう思いました。


それまでにあまりに地雷を踏みすぎているため、
友だちに彼のことを話すと
「いい人すぎて心配」
「裏がありそう」
「騙されてない?」
などと言われました。
父に至っては「売り飛ばされるんじゃ……」などと言い出す始末。

「いい人すぎて心配」なんて、
わたしが一番感じていたことです。
でも、そんな心配はすぐに消えました。

彼は付き合い初めてほんの数ヶ月で
わたしの両親に挨拶をしてくれて、
彼のご両親にもわたしを紹介してくれたのです。

「友だちに僕のこと話すのやめてよ」
などと言っていた《兵庫の鉄オタ》とは大違い。

告白から約2年経った今、
彼は相変わらずわたしの隣にいて、
わたしは彼の姓を名乗っています。


ということで、結婚まで辿り着いたため、
「アラサー婚活女子の話」はこれで終わりです。
長く苦しい婚活も、夫に出逢うためだったと思えば、今では笑える話ばかり。

ちなみにこのnoteは夫に見つかり読まれています。


いいなと思ったら応援しよう!