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氷見市の地域劇団ひみのや「演劇を作ってみる」ワークショップ

富山県氷見市には、これまで市民による劇団が存在したことがなかった。
どうも、演劇経験者や舞台芸術に興味のある人は存在しているものの、市民による創作活動として継続的に実行されることがなかった様だ。
そんな氷見で、地域劇団を作って活動してみようということで、立ち上げていろいろ画策しはじめている。
劇団がどうやって立ち上がるのか、成立のきっかけや過程はまちまちだろうが、様々な興味関心を持つ人が集まって「演劇を作る」活動に仕上がっていくには、何が必要かを考えながら活動している。

9月は構想について話し、10月は少し基礎練習の様なこともしてみたので、いよいよ、短い演劇を作ってみられないか、試みてみることにした。
朝9時から集合して、昼を挟んで15時ごろを目処に短い演劇を仕上げていくというものだ。
当日の参加者は、午前中は5名。午後から4名。観客として来てくれた人が3名。馴染みの薄いところでは、

9時から10時30分ごろまで。

ストーリーキューブという、サイコロにイラストが書かれているオモチャがある。サイコロを振って、出たイラストをもとに話を作っていくというものだが、今回は元になる話を作るために、このストーリーキューブを利用した。
ストリーキューブは、9つのキューブを振って、出たイラストを元に話を作っていく。
サイコロの振り方自体もいろいろとやってみたが、最終的には5人で順にひとつづつ振って、話をつなげていくことにする。
最初の人が「むかしむかしあるところに……」からはじめる。1個しか担当しない人には、基本セットでなく、「冒険」と題した、別の絵柄のセットを使ってもらうことにした。
いろいろな話しができたが、最終的に演劇に立ち上げてみようとなったのは、この話。

真ん中の色が違うカラスのキューブは「冒険」セットのもの

昔々あるところにハチが居ました。
ハチは、時計塔か、木のところか、どちらかにいると言います。
カラスに聞けば、それがわかるらしいのです。
流れ星を見ると、ハチに会える確率が上がるともいいます。
カラスと流れ星のどっちが、ハチに会える確率が高まるのかは、よくわかっていません。
ハチに会うと運命が変わるといいます。
ハチに会った人々から切れ切れに伝わってきた情報によれば、そういうことらしいのでした。

10時半ごろから12時まで

さて、この話の登場人物について考えてみることにする。
「ハチをさがす」というアクションが最初に出た。午後の4名中3名が出演者となる計算で、3名が出演する。冒頭の写真で左の男性からジーノ、レイチ、マメの3名が出演者だ。

アイディアをホワイトボードに書いていく

ハチを探すというアクションがあるならば、「ハチを探そうという人」「探そうぜと誘われる人」これに、単純な対立を持ち込むなら「ハチ探しに反対する人」の三人の登場人物が考えられる。
ハチを探し当てれば運命が変わる。
そのために、ハチを探しに行こう。と、仲間を募るのだが、そもそも、ハチを探し当てられるか、不確かな情報しかないので、難色を示されたり反対されたりするという会話がイメージできる。
「ハチを探そうという人」には、会話を始めるにあたって、他の二人よりも先んじて、ハチについてある程度まとまった考えがあるだろう。ひょっとしたら、「ハチ探しに反対する人」にも、反対の理由があるかもしれない。
「時計台の方」「木の辺り」「カラスに聞く」「流れ星を見る」という要素がある。「不確かなものを、どうやって確実にしていくのか」という様な会話もあるかもしれない。
ハチについての設定も、少し考えてみた。三人のハチに対する認識が当初は違うものの、どの様に変わっていくかなどについて考えていく。

昼休み・13時から15時まで

昼食をとって、休憩の後に、午前中に考えた設定を利用して、即興で会話をしていく。
即興の会話のルールを以下のうように定めて行う。

  • 会話は敢えて展開していく様に狙わない。

  • 設定の中に使われている言葉、イメージを使って会話する。

  • 言葉に詰まるようならオウム返しを試みてみる。

演技をする三人。ジーノ、レイチ、マメで、とりあえず即興で「ハチを探しに行こうよ」と相手を誘ってみたところ、ジーノとレイチよりも、マメが二人を誘う方がなにかと話の運びが良かったので、マメが二人を誘う形で固めていくことにする。これは単純に、個性のかみ合わせの問題で、即興で進めていくテンポのために流れで配役を決めた形だ。即興で、以下の要素が出てきた。

  • ハチを見る、ハチと出会うのではなく、ハチを掴まえる。

    • 掴まえようとするのは不味いという設定の追加。

  • 近所のハチローさんというハチの駆除業者。

  • 防護服は8万円ほか、ハチと数字の8に関するダジャレを意識する。

    • ハチに会える確率の追加。

ハチを見るのでなく、ハチを掴まえようとすると、ハチに会えなくなる可能性が高くなり、ろくなことがない。これを、三人の共通認識でなく、軸になる認識の違いとして利用することにした。
そう決めたことで、冒頭の筋書きできる。

  1. マメが二人にハチを捕まえに行こうと誘う。

  2. ジーノとレイチは難色を示す。レイチはマメに掴まえようとしたら、ハチが逃げるという。

  3. レイチは、ハチに会うだけなら、会える確率を上げる方法なら、いろいろ調べて知っている。

どんな事をしゃべるのか、あらましのメモ

最初は、マメに難色を示していたレイチとジーノという構図から、レイチの心境が、ハチを捕まえようとしないで、見に行くだけなら行きたいという風に変化し、マメとレイチに対してジーノが難色を示すという構図に変化する。
ここで、レイチは実はハチに関心があった。では、ジーノは?ということで、頭を捻ることになる。三人を対比していくことで役割を明確にする。

マメは、不確かな情報で行動を起こそうとしていた。
レイチは、情報を色々確認していたが、行動を起こしていなかった。
ここにジーノを加えることで、ジーノの立場を明らかにする。
ジーノは、かつて行動したことがあり、確かな情報も知っている。
というのが妥当ではないだろうか。ジーノはおそらく、失敗した経験があるのだと考えても良い。

レイチのセリフに「ネットで調べた時に、ジーノさんのブログが一番詳しかった」というのを加えて、ジーノを否応なくハチの探索に巻き込む方向で話の展開を決めた。
あとはどうやって終わるのかということだが、今回はちょっと、落語でオチが付くような形を借りることにした。

全体の展開を決めて、何度かリハーサル的に会話をし、言わないことや、こう展開していく取り決めをしていく。

15時から本番

ここまでで、ざっとできあがったものを、本番ということで収録した。
出演は、ジーノ、レイチ、マメ。お客さん3人の前で初上演。
休憩しながらの6時間ほどの制作作業で、5分ほどの寸劇の完成となった。


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