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あの日、とにかく私は泳いだ。


「あの日、とにかく私は泳いだ」ことを、ふと思い出した。

今でも覚えている----

そう、家族4人で夏に愛媛旅行に行ったあの日。

私は、まだ5歳か6歳か、そのくらいの小さな女の子だった。
愛媛のどこかは、はっきり覚えてないけれど、私たち家族は、プール付きのホテルに泊まっていた。

せっかくのプール付きホテルに泊まったので、みんなで、プールに入って遊ぶことにした。

当時、私はまだ幼稚園児。

両脇には、溺れないよう可愛らしい柄の浮き輪が付いていた。
私は、小さい子ども向けの浅いプールで、ひとりぷかぷかと泳いだり、浮いたいしていた。

ふと視線をうつすと、父と兄と母は、大人向けのプール(今考えると、普通のプールだけど)で、スイスイと泳いでいた。

そんな姿をちらっと見た私は、思わず、子供用の柵を超えて、"大人向け"のプールに向かって、1人泳いでいた。

その時に思った感情を、私は今でも鮮明に覚えている。

みんな(親は)、兄の方に興味があって、私の方には見向きもしていない。私が大人用プールでも泳げる姿を見せて、みんなの視線をこっちに向けたい。

というような、いかにも、子どもらしい気持ちだった。

目の前にいるお兄ちゃんをただ超えたい。
そして、こうも思った。

お兄ちゃんにできるなら、私にもできるだろう。

子どもながらに、そんなことを思い、自分の身長より2倍くらいある水深のプールを、とにかく、力限りに泳いだ。

(※一応、安全のために書いておくと、当時からスイミングに通っていたので、溺れる心配はなかったと思う。ひと通りの泳ぎ方は習得済み)

「誰かに認められたい」とか「注目されたい」とか、今でも思うことはあるけれど、それ以上に、「他の人ができることは、自分にだってできる!」という謎の自信が、当時あった。

(すごい自惚れ屋かもしれないけど)、そういう気持ちが原動力になって、今でも、自分の中で何かが始まることが結構あるなと、ふと思う。

意外と幼少期に感じたことは、大人になっても共通するのかなと思い、ふとnoteに書き残す。
ほろ酔い気分でスマホに打ち込む、深夜24時。


結局、あの日は「まだ "こっちの" プールは危ないから」と親に言われ、抱き抱えられ、出されてしまったけども。

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