「弱音を吐かない女。 5」

この子に、あっちのグループに
毎日いじめられてる

めくってずらして顔の前に持ってきて
「ほら」
ってやるから
舌を突っ込む
頭を押さえて腰を激しくグイグイやってくる
性処理の道具にされてる

あっちのグループには
トイレの便器に頭押さえつけられて
水流された。
いじめっていえばこれって感じ。

実は全然 嫌じゃない

ひとことで言えばマゾってことになるけど

嫌だって決めつけないで
その状況にチャンと向き合ってみると

思い込みだった 実際はそういうもんじゃなかった
こんな発見があった いいじゃんいいじゃん

それに
どうしてこういうのを
嫌なことって 決めつけてんだ
他のことと対等に扱ってやらないんだ？
って
なんかムカつく

だから
悔しいってならないし

かまってもらえてる みたいな
いろんな目にあわせてもらってる みたいな

なんか毎日
今日は何してくれるかな？
ってけっこうワクワク楽しんでる

仕返ししたいって気にも
今んところ ならない

仕返ししたらかまってもらえなくなる
と思うし
このままで
痛いのも、苦しいのも
どんな風に痛くなっていくのかって
楽しくさせてくれてる

そのうちコノヤロウって気がわいてきたら
どんな仕返ししてやろうか
って ぼんやり思ってたりはしてる

立場逆転したら
自分みたいにのほほんとやり過ごせないだろう
そうなったらかわいそう
ってやられる側の状況なのに同情してる

この同情が余裕になって
痛いのも、苦しいのも
楽しくさせてくれてる