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10年食べ続けたお米は、これからも食べ続ける

同じお米を10年食べ続けている。


今の地域に越してきて10年半が過ぎた。
引っ越しをすると地味に困ることはいくつかある。

髪はどこで切ろうか?
歯医者はどこで診てもらおうか?

新しい地で行きつけの場所を新たに開拓するのは、僕は「めんどい」と感じるタイプ。
(ワクワクするという人も多いかも知れない)

そしてお米。
世界と相対的に"貧しく"なっているとは言え、日々の食事が概ね手の届く範囲にあるこの国で、お米はスーパーで買えば事足りる。しかし毎日必ず食べ続けるもの。味に敏感な人にとっては、銘柄を変えるのは結構大きな変化になるよう。妻がそう。

引っ越して間もなく、僕が知らない間に妻が新しいお米の入手先を見つけてきてくれた。スーパーのお米じゃなかった。親の郷里から送ってもらうお米でもなかった。

妻のおばの実家のお隣に住んでいる、おっちゃんおばちゃんが作っているお米だった。どういう経緯でそちらから頂くようになったかは把握していない。

一見親戚のようで親戚ではないおっちゃんおばちゃんに、それから10年以上お世話になることになった。
おっちゃんおばちゃんは、僕ら家族の住んでいる地域から車で40分以上の集落に住んでいる。山と川に囲まれた場所で、お米やさかき(お供え用の植物)などの栽培・出荷をして暮らしている。

一度に30kg1本(薄茶色のおっきな米用の紙袋)を、おっちゃんおばちゃんから玄米の状態で頂く。2か月~2か月半に1回ぐらいの頻度でうちは30kgのお米(精米して正味27kgぐらい)を消費する。

本来なら、玄米は小分けにして少しずつ精米するのが質を保つのにいいという。けれど、頻回に精米しに行く手間を惜しんで、うちは正味27kgをまとめてきにいく。そして「米びつ習慣」や「脱臭炭(?)」など、できるだけ自然素材の虫除けを入れて、薄茶の米袋のまま保管する。
ちゃんとした人からしたら考えられない保管方法だと思う。
でも、妻は味に敏感な割に保管方法とかほとんど頓着しないし、僕もその辺ファジーなので、それで良しとしている。

とても美味しい。10年以上変わらない美味しさ。
いや、変わってるのかも知れない。美味しさのレベルを維持するためにマイナーチェンジを繰り返しているのかも知れない。しかし僕は気付かない。妻が「変わらず美味しい」と言っているから美味しいのは間違いない。
舌の繊細さがない僕みたいな人には気付かせない、クオリティ維持のための努力は、人知れずされていることと思う。味覚音痴でおっちゃんおばちゃんには申し訳ない。

ホントは保管をもっとちゃんとしたらもっと美味しいだろう。

これからも、変わりながら、それでいて変わらないこのお米を、うちは頂いていく。


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