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実家の生姜焼き

実家シリーズ。

自分の実家の習慣は特殊なのかを知りたくて、
1日1個、不定期でたくさん積み上げていくシリーズ。

1回目の今日は「生姜焼き」


「生姜焼き」といえば豚肉の生姜焼き。
ここは異論のないところだと思う。

僕も含めた多くの食いしん坊は、腹が減ったときの定食屋の生姜焼きを想像すると、パブロフの犬のように多かれ少なかれよだれが出る。
―「生姜焼き」とはそんな存在だと思う。

今は僕もそう。よくある定食屋の香ばしいタレのからんだ生姜焼きを想像する。

しかし実家の生姜焼きは違う。
ショウガが多い。見える。
目視できるレベルでショウガが入っている。

定食屋の香ばしいタレのからんだ生姜焼きは、
生姜焼きと言っても、香りこそ「ショウガふう」を感じさせるがショウガが目視されることはないと思う。
人生で生姜焼きをまだ知らないうちに、これを見ただけで「料理名:生姜焼き」を言い当てることは難しい。
「これは生姜焼きというんだよ」と教わったら、辛うじて暗記によって記憶に定着させるレベル。

一方で実家の生姜焼きは、
ほぼ全体的にすりおろしショウガがタレの役割を担っている。
ショウガを目視できる。
これが生姜焼きだと言われれば誰でも合点がいく。
「これは生姜焼きだよ」と教わったら、「生姜焼き」という単語と視覚を紐づけて記憶できるレベル。

実家の生姜焼きはショウガをしっかり焼いている。
むろんショウガのパートナーは豚肉だ。
「ショウガ:豚=8:10」ぐらいの割合だ。
パートナーとしてほぼ対等な役割を果たしている。



そんなこんなで

多くの場合「生姜焼き」という単語を聞くと、多くの食いしん坊はパブロフの犬になると思う。
しかし僕は長らく「生姜焼き」でパブロフの犬になることはなかった。友人らと僕とでは同じ「生姜焼き」を思い浮かべてなかった。僕はあくまで実家の生姜焼きを思い浮かべており、みんながパブロフしてるのが違和感でしかなかった。僕は実家の生姜焼きではパブロフできなかったのだ。

大人になって定食屋チェーンに行って初めて定食屋の香ばしいタレのからんだ生姜焼きを食べて以降、ようやくパブロフの犬になれた。

今や僕はもう、パブロフの犬だ。


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