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水中でおこなう光カメラ通信

修士1年の繁縄麻子さんは、一昨年から光カメラ通信の実験・研究をおこなっています。


光カメラ通信とは

「光カメラ通信」とは、LEDなどのライトから発信されたデータをカメラで読み取り、データの受信する方法です。この通信を応用することでカメラやLEDライトを搭載したスマートデバイスに加え、Webカメラや照明など、既存のデバイスを用いて通信を可能にします。

一般的には陸の上での使用が考えられていますが、繁縄さんは、水中(海や湖の中)での実験を進めています。


どのような実験?

神戸の六甲アイランドや箱根の芦ノ湖、北海道の支笏湖など、日本全国さまざまな場所で実験をおこなっている繁縄さん。海や湖はプールと違い波があるため、実験がスムーズに進まないこともあったそうです。実験には2〜3人で取り組み、プロの力を借りてドローンを併用した実験もおこなっていました。
また、レーザーを使用した実験は前例がありますが、LEDでの実験はほとんど前例がないため、試行錯誤を繰り返し実験をしてきました。レーザーはまっすぐ光が届くものの、波のある水中ではLEDの方が、効果的に動くため、今回の実験ではLEDを使用しています。

LEDライトから発信されるデータは、文字列を「00001」などの数字に割り当てて送ります。将来的には、水草の生えている状況(生い茂っているのか、何もないのか)によって水中の溶存酸素濃度を図るなど、水中でセンシングしたデータを送信できる活用法を考えており、日々研究に励んでいます。

実験は海や湖でおこなうため、自然が猛威をふるい、実験が円滑に進まないときも多くありました。時間帯によって波の高さや水の濁りが変化すること、またほとんどの実験は冬の間に取り組んでいたため、寒さやあられ、雪などの天気の不安定さも大きな壁になっていました。


環境への配慮

近年世界中で地球温暖化の加速が指摘されており、自然エネルギーや節電などが呼びかけられています。
この実験では溶存酸素量を測るため、ブルーカーボンクレジットとしての活躍が期待できます。現時点では水草のCO2吸収量を調べている団体が数少ないものの、今後は水の中にも焦点が当たるかもしれません。

4月から新しい仲間が増え、本研究室ではさまざまな実験がおこなわれています。
このnoteでは今後も学生の実験を紹介していきますので、ご注目ください。


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