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ボイトレ講座2017中期

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声楽、合唱、ボイストレーニングについて書いています。
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2017年6月の記事一覧

(開放感と開放)
発声では物理的な開放と開放感は違ってきます。物理的な開放は呼気に隙間を作り声の支えを流してしまいます。適切な閉鎖が開放感につながり声を響かせます。閉鎖は声道全体で行います。ところてん押し器からところてんを押し出すように密度と閉鎖を伴った開放が重要です。

(過去の状態の再現)
(続き)という過去の状態が先生の前で懐かしさとともに再現されます。この懐かしさによる歌いにくさや癖の再発は対処が難しく、無自覚なケースもあります。懐かしさは心に隙を作り、声を歪ませます。懐かしい先生とのレッスンは初めて出会ったつもりで行うと良いです。

(過去の状態の再現)
声楽のレッスンを受けるときは、未熟な自分を無意識の内に演じてしまう場合があります。特に、学生の頃の先生のレッスンを卒業してから数年後に受けるときに、学生の頃の癖がよみがえったりします。”この先生の前で、自分はこういう声でこういう性格だった”という(続く)

(共鳴腔と声の関連)
(続き)共鳴腔と声は関連が無いように感じます。もちろん共鳴腔は声を調整していますが、広さはいらないということです。むしろ共鳴腔は狭い方が良いです。広いと余計に空気は逃げてしまい、気圧は弱まるので喉頭は笛だと思うと良いです。必要最低限の広さが最適な広さです。

(共鳴腔と声の関連)
支えのある声を出すときは、水をまくときのホースをシャワーからストレートにすると良いです。声道を狭くして水圧を高める要領で気圧を高めることが大切です。
この方法について”声道が狭くなると共鳴腔が狭くなるから良くない”という反論もあります。しかし…(続く)

(ポップス歌唱のチェンジ)
”地声と裏声を混ぜる”という発想は少し違うように感じます。”地声と裏声を混ぜる”というよりも、”地声と裏声を両方とも出して、少しずつ裏声の成分を強調していく区域”という感じ方が有効だと思います。チェンジは”点”よりも”区域”として認識すると良いです。

ボイストレーニングは楽器の練習ではなく、楽器の製作のように行うと良いです。楽器を作るための物理的な作業として認識し、論理的に練習する必要があります。感情にまかせて声を育てるよりも、筋肉で声を制御する楽器職人になると良いです。

(パッサッジョまたは換声点)
パッサッジョや換声点を探すときはドレミファソラシドではなく、半音で探すと良いです。
ドド♯レレ♯ミファファ♯ソソ♯ララ♯シドを、2度あるいは3度のフレーズで少しずつ練習することが大切です。

(母音の練習)
ドレミファソラシで練習する場合、
o e i a o a i の母音で練習することになります。このとき、u母音は使われません。また使われる母音の数や和声上の役割も関係するため均等な母音の練習にはなりません。特定の母音の練習とドレミの練習は、分けて考えると良いです。

(続き・換声点に関する練習)
換声点に関する練習では音程という概念を一度忘れてみても良いと思います。また、換声点という発想よりもパッサッジョという認識の方が良いです。中音域の高音部から高音域にかけて、「点」をまたいで急に発声が変わるというよりも「区域」で次第に換声点は変化します。

(続き・換声点に関する練習)
母音は単独の練習(ieaou)と組み合わせ(ie,ia,io,iu など)も含めたバランスの良い練習が大事です。出す母音によって換声点の感じ方も違ってきます。ieaを発するときの換声点と、ouを発するときの換声点は変わる傾向があります。(続く)

(換声点に関する練習)
ドレミファソラシで発声練習をするということは、
o e i a o a i の母音で練習するということにもなります。このとき、u母音は使われません。また、
o i a が2つずつ。eが1つ。ということでバランスも偏っています。(続く)

よく通る声、響きや輝きのある声を出すときは、喉頭を竹筒の水鉄砲の出口のようにすることが大切です。あるいは、水をまくときのホースをシャワーからストレートに切り替える感覚を持つと良いです。
(参考動画)
https://youtu.be/O2hXaw_I-2s

(歌声と我慢)
声の闘争やアッポッジョの感覚は、ネガティブな感情の発露の我慢だと感じる。人生の悔しさや悲しさが喉頭に我慢を作ると思う。そのまま出しては魅力的な声にはならない。喉頭で我慢するから声の響きや輝きは増幅する。良い歌声とは喉頭の我慢だと思う。