性犯罪・性加害⑩

※性犯罪について少しずつお話します。
いっぱい話すと読んでくださる方にご負担かもしれないので、少しずつ。

今回は、「反省する」ということについて考えてみます。

パートナーが犯罪をしてしまった。
子どもが問題行動をしてしまった。
生徒が人を傷つける行為をしてしまった。
・・・このような出来事があると、
周囲は本人に対して「反省する」ことを求めます。

周囲は本人に「深く反省しなさい」と強く言い、
本人のあらゆる言動を「反省しているかどうか」で見ようとします。

事件直後、本人が食欲もなく暗い表情をしているのを見て
「大丈夫だろうか・・・」「せめてご飯は食べて・・・」と心配していたのに、
しばらく経って、モリモリご飯を食べてガハハと笑っている本人を見たら
「なんで食事が喉を通るの?なんで笑ってられるの?」
「あなたの事件のせいで周りはこんなにも苦悩しているのに、その態度は何なの?」
と腹立たしくなったり、情けなくなったり・・・

そして
「反省していない・・・」「本人はやったことを軽く捉えている!」
「もうすっかり何事もなかったような振る舞いをするなんて、どこかおかしいのでは?」
「もっと説教しないと本人は懲りていないようだ。もっと厳しくしよう。」
と、本人に「反省する」ことを求めるどころか、反省を“強要”するようにもなります。

「反省してほしい」という周囲の思い、よーーーーく分かります。
本人が思っている以上に、周りは悩み、苦しみ、自分を責め、どうにか本人の更生を支えようともがき、心の底から「自分の罪をしっかり重く受け止め、反省して、真面目にやり直してほしい」と願っていることでしょう。

でも「反省する」ってどのような態度のことをいうのでしょうか。

食事が喉を通ってなかったら、反省している証拠?
ずっと暗い顔でうつむいているのが、反省している証拠?
毎日「ごめんなさい」「もうしません」と唱えていれば、反省とみなす?
友達と遊ばずひたすら勉強しているのが、反省の態度?
節制して規則正しい生活をしてこそ、反省できたということ・・・?

周囲は、本人に「反省」を求めながらも、
何をもって「反省」とみなすのかが曖昧なのではないでしょうか。

本人なりに「反省」している言動があったとしても
それらが周囲の思う「反省」とは不一致で
双方が相容れないという状況は非常によく起こります。

特に性犯罪・性加害・性的問題行動など
周囲もどう対応して良いものか考えあぐねてしまう「性」が関わると、
双方が言葉にしつくせない事柄が多く、話し合おうにも難しい場合があります。

このまま専門家を交えずに本人とその家族だけでやっていこうとすると、
互いに他方が許せない気持ちがどんどん膨らみ、爆発しかねません。

専門家が介入した場合も、
すぐに目に見える成果を出すのは難しく、根気が要ります。
コレというひとつの正解はありません。
でも、どうか一人で頑張ろうとせず、ご相談ください。

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