ほどほどについて

皆さん、誰かに“ほどほど”を勧めたり、誰かから“ほどほど”を勧められたりした経験がありますか。カウンセリングの場面では、“ほどほど”を用いることがあります。

例えば、
「お酒はほどほどにしましょうね〜」とか、
「頑張りすぎず、ほどほどでいいんですよ〜」とか、
私 心理士Tも言っていると思います。


ところで、“ほどほど”とは何なのでしょうか。
今回はこの素朴な問いを、ほどほどに考えていきます。


まず、「ほどほど」を勧めたり勧められたりする時、多くの場合が
【何かをやりすぎているために、とある問題が起きている】ことが考えられます。
そして、【それを少し減らすことで、ちょっと楽になる】ことを目指しています。

【何かをやりすぎているために、とある問題が起きている】ときの“問題”は、あなた自身のしんどさ・苦痛感もあれば、あなたの周りの誰かの困り感や憂鬱感を引き起こしている場合も当てはまります。

例えば、こんな感じです。
――毎晩缶ビールを10本のんでいたAさんが、5本に減らしたら、家計がちょっと楽になりますね。
――毎食一汁三菜手作りしていたBさんが、ひとつは市販のお惣菜利用にしたら、料理の負担がちょっと減りますね。


【それを少し減らすことで、ちょっと楽になる】と説明したように、問題の根本解決にはなりませんが、“ちょっと楽になる”というのは、健康に生きるために意外と重要なことです。

臨床心理士業界で“ほどほど”で有名な人といえば、ウィニコット先生です。
このウィニコット先生は、1971年にお亡くなりになられたイギリスの小児科医/精神科医/精神分析家で、「対象関係論」など提唱した人物です(詳しくはまたおいおい!)。ウィニコット先生の名言はたくさんありますが、“ほど良い母親・ほどほどによい母親(good enough mother)”が超有名です。ほどほどに説明いたしますと、過干渉・過保護ではなく、放置するのでもなく、ほどよい関わりが親子お互いにとって一番いいよね、という話です。

今、あなたが“ほどほど”である方が良さそうかどうかを見極めるのは、
【自傷他害をしていないか】という点です。
(自傷他害って、ちょっとドギツイ表現ですよね〜・・・)

やりすぎてしまっているその何かを、好きでやっている場合は、
・周りの誰かを困らせてはいませんか?
・自分にとってマイナスの結果になっていませんか?

やりすぎてしまっているその何かを、やらずにはいられない場合は、
・今までしんどい気持ちを我慢し続けていませんか?
・やるorやらない、の2択しかないと思っていませんか?

このような質問が【自傷他害をしていないか】に気づくヒントです。
つまり、“ほどほど”とは、ちょっと楽になる、ちょっとうまく生きていく、プチハッピーをもたらす、非常に曖昧かつ漠然としたラッキーアイテム、といったところでしょうか。

周囲からみると「ほどほどをお勧めしたい」状況の時ほど、その本人は「ほどほどにする必要などない」と思っている場合が多くあります。でも、あなた自身がしんどかったり、痛い思いをしていたり、身近な誰かを困らせてしまっているようでしたら、ちょっと話しにきてみませんか。
私たち中津臨床心理カウンセリングでは、あなたと一緒に“ほどほど”探しのお手伝いをいたします。

担当は、“ほどほど”の出現率が高くなったことを反省している心理士Tでした!

大阪駅・梅田駅徒歩10分、地下鉄中津駅すぐ
大阪中津臨床心理カウンセリング
http://osaka-shinri.site/

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