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日本剣術の最重要要訣「浮き」

「浮き」という言葉。
甲野善紀先生はよくおっしゃる。

「浮き」とは何か。
これは、日本剣術の最重要要訣のひとつだ。

刀を主とし、刀に従う。
こうすると、自分の存在が薄くなり、身体が軽くなる。
この状態を「浮きがかかった状態」と呼ぶ。

私はいくつかの日本剣術流派の指導を受けたが、共通しているのは「浮き」だ。
流派の指導として「浮き」という言葉を使うとは限らないが、自ずと「浮き」を使う形となっている。

例えば先日紹介したオリジナル練功法「兎突」だが、これも「浮き」を使っている。

これは決して足で跳んではいない。
「浮き」で進んでいるのである。

剣術によって「浮き」を体得できれば、刀を持ってなくても「浮き」ができるようになる。
これが、剣術から派生した体術、柔術や合気道などに活かされている。

「浮き」がかかった身体は非常に捉えにくい。
どこで事が起こっているのかわからない。
故に止められない。
こういうことが起こってくる。

ただ剣術では、当然双方とも浮きがかかった状態になるので、それを前提としたさらなる「先の型」が、例えば「裏太刀」といった言葉で示されたりしている。

甲野善紀先生は最近「浮きに浮きを重ねる」とおっしゃったりもしている。

ここまでになるとちょっと難しいが、日本剣術に取り組めば、「浮きの第一段階」を獲得するのはそう難しいことではない。

「刀に従う」。
これさえわかればいいのだ。

甲野先生は自由に研究をされているように見えるが、実際には、これまで稽古されてきた合気道、国井善弥流剣術、根岸流などがきちんとベースになっている。
この点は牢記する必要がある。

ともあれ、「浮き」がわからないと、浮きが使える相手に対抗するのは非常に難しい。
このあたりが、日本剣術をしっかり稽古すべき重要な理由のひとつである。

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