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中国株って儲かるの? リスクはどれくらい? 色々と検証してみた

はじめに

近年の中国は経済成長が凄まじいため、中国の株式投資を検討されている方も増加してきていると思います。

中国株は本土市場(上海市場と深セン市場)のA株とB株、香港市場に分かれています。外国人が投資できるのは本土市場ではB株、あと香港市場は自由に取引ができます。

A株とB株について規模は圧倒的にA株の方が大きいです。2020年5月時点でA株が時価総額870兆円くらいの規模に対し、B株は時価総額1.7兆円とA株の500分の1以下となっています。
なお香港市場は時価総額480兆円くらいの規模になります。

中国株関連のETFはすでにいくつかありますが、今回は外国人が投資できる中国株の代表的な香港ハンセン指数に連動するETF(トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン:02800)で分析しました。
ETFの取り扱い残高も圧倒的に大きいのと手数料が最安のため、始めやすいと思います。

トラッカー・ファンド・オブ・ホンコンの構成銘柄は金融系が43%とかなり大きくなっています。つづいて情報技術が23%となっています。
メジャーな企業だとテンセント、アリババ、HSBCホールディングスなどです。

また、上海市場のA株に連動するETFもありますが、ボラティリティがかなり激しいのと取り扱い残高が小さいため、個人的にはやめたほうがいいと思います。


今回は一部は架空にはなりますが、長期で運用した場合を含めシミュレーションしました。

なお香港ハンセン指数に連動するETFで最も歴史の長いトラッカー・ファンド・オブ・ホンコンのETF(コード:02800)は2006年4月に上場です。

トラッカー・ファンド・オブ・ホンコンの価格はおおむね香港ハンセン指数の1000分の1のため、2006年3月以前はその価格を適用しています。
2006年3月以前の分配金は3.5%としました。手数料は0.1%とし、税引き後で2.72%としています。

分配金がS&P500の倍ちかくあるのはうれしいですね。
複利の効果も出やすいです。

前提条件
・2006年3月以前の株価は香港ハンセン指数の1000分の1とする
・分配金は3.5%とする(手数料0.1%、税引き後で2.72%)
・為替手数料は15銭とする。
・毎月5万円前後投資
・分配金も全て追加購入に回す(複利の効果を得るため重要)
・どれだけ相場が荒れても鉄の意志で投資を継続する(超重要)


1.直近10年間(2011年3月スタート)

記事作成日が2021年3月のため、単純に10年前の2011年3月スタートとしています。
リーマンショックで暴落しまくった後、株価は回復途上にある状態です。

S&P500や日経平均とくらべ、ボラティリティが激しいですね。
山と谷がかなり大きいです。
実はこの激しさでも上海A株に連動するETFに比べるとかなりマイルドな方です。

直近10年では日経平均より運用利回りは下回っています。
2015年のチャイナショックの影響をモロに受けたのが主要因と思われます。

投資額合計:5,605,752円
損益:2,411,826円
10年間合計利回り:43.0%
複利(=IRR(内部収益率)):7.1%

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2.ドットコムバブル(=ITバブル)絶頂期の2000年3月

ドットコムバブルピーク時からのスタートです。
バブル崩壊の大底はS&P500や日経平均と若干長引いていて2003年4月です。

ボラティリティのハデさが目立ちますね。
ジェットコースター感がスゴい😅

リーマンショックの影響が日経平均やS&P500よりもエゲつなく、1年半で64%も下落しています。
(S&P500は57%下落)

逆にコロナショックは日経平均やS&P500に比べるとそこまで下落していません。
世界中が大混乱している時に真っ先に経済回復したのが主要因と思われます。

この20年間の運用利回りはS&P500より大きく下回っており、意外と日経平均とおおむね同じくらいです。

投資額合計:12,248,726円
損益:14,516,691円
21年間合計利回り:118.5%
複利(=IRR(内部収益率)):6.8%

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3.1991年5月スタート

日本ではバブル(1986年12月~1991年2月)崩壊後ですね。
なぜ1991年5月という中途半端な日付にしているかですが、
S&P500では初めてからコツコツ続けて17年10カ月後、リーマンショック後の2009年3月に、なんとマイナスに転落します。

後日の記事でS&P500や日経平均と比較しますので、同じ時期でいったん分析しました。

投資額合計:17,477,984円
損益:43,050,710円
30年間合計利回り:246.3%
複利(=IRR(内部収益率)):7.3%

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4.1980年1月スタート

40年前は物価が異なる(大卒初任給が11万円程度)ので毎月5万円はかなりハードルが高いですが、あくまでもシミュレーションとして見てください。
なお1980年1月は1ドル239円です。

1980年の日経平均は6570円~7160円です。

運用利回りは日経平均より大きく上回り、S&P500とおおむね同じくらいです。

投資額合計:24,285,509円
損益:195,097,083円
41年間合計利回り:803.3%
複利(=IRR(内部収益率)):8.7%

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5.1970年2月スタート

50年前はさらに物価が異なる(大卒初任給が4万円程度)ので毎月5万円はかなりハードルが高いですが、あくまでもシミュレーションとして見てください。
ニクソンショック前のため、1ドル360円時代です。

運用利回りは驚愕の2000%近くになります。

ただしリーマンショックの時は3億5210万円も吹き飛びます😱
チャイナショックの時は2億2311万円吹き飛び、コロナショックの時は1億7840万円も吹き飛びます。

まさにこの世の地獄ですね・・・

ただし暴落しても回復がかなり速いです。

メンタル管理がかなり難しいでしょうね。

投資額合計:30,240,972円
損益:588,980,077円
51年間合計利回り:1947.6%
複利(=IRR(内部収益率)):9.2%

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結論

直近20年ではリーマンショック、チャイナショックの影響が他国よりも大きいため、意外と日経平均と同じくらいの運用利回りとなりました。

しかし50年という長期になるとS&P500を上回る結果となりました。

あと配当金がコロナ前では3.5%とS&P500の倍ちかくあるため、複利の効果が高まりやすいです

中国は今後成長していく可能性がかなり高いため、ボラティリティはS&P500と比べると激しいですが、投資先をアメリカと中国に分けるなどのリスク分散目的で保有しておくのも一つの考え方と思います。

中国という国に将来性を感じる方は投資を検討するのもいいかと思います。


投資はあくまでも自己責任でお願いいたします。

ツイッター(@nakatsukasa_k)とFacebookもやっていますので、ぜひ感想などお寄せください。


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