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【第2回】「転職」は必要に迫られてするもの

転職の本質とは、必要に迫られて、自分の意志で職場環境を変えることです。従って、必要に迫られない限り、無理に転職することはありません。

少なくとも日本では、よほど切羽詰まった状況にならなければ、転職しないほうがよいとも言えます。

特に40歳を過ぎたベテランの方は、慎重に判断しなければなりません。まして、興味本位や腕試しの転職活動に至っては論外、言語道断であります。

「転職は、キャリアアップにつながると聞いているのですが、違うのですか?」

そうですね。確かに、キャリアアップに結びつく転職もありますが、必ずしもそうとは限らないので注意を要します。

『必要に迫られる』とか『切羽詰まった』状況って、どのような状態を指して言うのですか?」

これはいい質問ですね。人によって置かれる立場が違うので、ひと言で言い表すのは難しいのですが、あえて表現するとしたら「このまま仕事を続けると、身体に異常をきたしかねない状況」とでもなるのでしょうか。

会社員として組織の中で日々働いていると、一度は「転職」について考えたことがあるのではないかと思います。

特に最近は、インターネット環境が進化し、より多くのピンポイント情報に触れる機会が増えており、以前にも増して刺激を受けることになります。

テレビ広告やSNSなどで、頻繁に流れる転職情報を目にすると、「僕にもチャレンジできるのでは?」とか「私にもチャンスはありそう」と思ってしまいます。

それもそのはず、転職にまつわる情報の多くは、魅力あふれる内容で「満載」だからです。

しかし、転職した先に「バラ色の人生」が待っている保証は、どこにもありません。

たとえ「バラ色の会社」に入ったと思っても、しばらくすると、きれいだったバラが枯れてしまうかもしれません。

「枯れる」ところまでいかなくても、「変色する」ことは日常茶飯事です。

場合によっては、きれいに見えたバラが「実は造花」だったりします(この場合、枯れることはありませんが……)。

しかし、転職という選択肢が「我が身を守る」ために残された、「唯一の切り札」となる局面があるのも事実です。

それは同時に、自らのキャリアを未来に導く「出発点」ともなり得ます。

私たち日本人の心には「我慢は美徳」といった価値観が、無意識のうちに、深く刷り込まれているように思われます。

従って、これ以上我慢すると「我が身を壊す」状況に陥っても、その「重大さ」や「緊急性」に気づきません。

ここはひとつ「逃げるが勝ち」と英断し、外に新たなチャンスを求めることで、「将来を左右するキャリアに巡り会う」のです。
         次回につづく(毎週月曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『四十歳を過ぎて初めて転職の二文字が頭をよぎったら読む本』<ブイツーソリューション>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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