ビジネスモデル 業務委託 準委任 請負

業務委託 準委任 請負

今回は、契約類型の中でもよく質問をうける「業務委託、準委任、請負」について簡単に紹介します。

■業務委託、準委任、請負

おそらく多くの人は「業務委託」は聞いたことある、「請負」も一応聞いたことある、「準委任」はあまり聞かない「準」てなに?、といった感じではないでしょうか。

実は「請負」と「準委任」がそれぞれ民法で定義されているのに対し、「業務委託」には定義がありません。

請負(民法632条):当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約すること

準委任(民法653条):法律行為でない事務の委託
※これに対して法律行為の委託を「委任」といいます。(民法643条)

業務委託とは「業務を委託すること」の通称であり、委託する業務によって「準委任」にも「請負」にもなり得ます。

そして「請負」か「準委任」かで、発注者と受注者の責任は支払内容が大きくかわりますので、ご自身のビジネスをどちらにするかをきちんと決めておく必要があります。

■請負

イラストや記事を完成させる、家を完成させる、依頼を受けて講演を行う、ウェブサイトを完成させる、メンテナンスを行いシステムを正常な状態を保つ等「完成品」が決まっており、それを完成させることが「請負」となります。

完成品の仕様は依頼者とすり合わせて行いますが、その仕様に沿っている限り進め方やスケジュール、稼働時間、工程管理等の途中経過は、請け負う人の裁量に委ねられます。

他方、「完成させること」が重要になってくるため、「未完成」だった場合どれだけ頑張ったとしても「報酬」は得られません。未完成でも使用できる場合は、完成割合に応じた報酬が発生します。

■準委任

コンサルティング業務、形がないサービス業務、工数管理型のSES業務、医療業務(医療業務類似のもの。カウンセリング、マッサージ等)、弁護士業務等、「完成」ではなく「完成(依頼者の望み)に向けて業務をすること」が「準委任」となります。

※コンサルタントが作成するコンサルティングレポート、SESで作成するウェブサイト、弁護士が作成する契約書等、準委任であっても「納品するもの」がある場合はあります。

SESでよくある「工数」に応じた「委託料」を定めている場合、工数が増える(業務が増える)と仮に依頼したものが完成していなくても、増加時間分の報酬が発生します。

また契約が未完成のまま終了しても、そこまでの稼働分に対しては報酬が発生します。


基本的に準委任の方が、「完成する責任」という点では「請負」より緩いですが、その分単価は低めに設定されます。

■まとめ
ご自身が提供するサービスの性質やどこまで責任を持てるか、単価をどうしたいかで「請負」とするか「準委任」とするかを決めておくといいでしょう。

間違っても、工数依存の準委任型の報酬を設定しつつ、「請負」のように完成義務を負う、といった形態は基本的に避けましょう。

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