見出し画像

2024年 6冊目『「AIクソ上司」の脅威』

未来予測とイノベーション戦略の専門家の鈴木貴博さんの本です。

2030年、日本気企業の序列がひっくり返るという副題です。

読んで、この話、納得感高いです。

このストーリ、日本企業だとあるあるだと思います。

生成AIにより、ホワイトカラーの仕事が無くなるかも。

ついこの間まで、そんなことないでしょう!と高をくくっていたのですが、あるかもって思いませんか?

この本を読むと、2つのシナリオがあるかもって話です。

1つは、AIを使って成功するハッピーエンドか。

もう1つはAIクソ上司に使われるバッドエンドか。

ポイントは、AIが人間を使うのではなく、クソ上司に使われるってことなのです。

どういう話か?

説明をシンプルにするために2種類の人を設定します。

1人は、賢くて、アイデアも出せるけれど、人付き合いが不得意なAさん

もう1人は、たいした仕事もできないけれど、人付き合いが上手で、出世した管理職のBさん。

Aさんは、会議でも良いアイデアを出し、一目置かれています。

Bさんは、会議の仕切りもできないので、イマイチでメンバーからの信頼も低いのです。

Aさんは、Bさんの事を馬鹿にしていたりします。

そうなんです。このBさんがクソ上司なのです。

ところが、ChatGPTのような生成AIが出ると状況が変わるのです。

AさんがAIを使うと、確かに時間は短縮できるのですが、アイデアそのものは同レベルだったりします。

つまり、AさんがAIを使っても生産性は上がるのですが、品質は変わらないのです。

しかし、Bさんは違います。

今までアイデアを出すことができなかったり、判断ができなかったBさんにとってAIは素晴らしいサポータです。

Aさんに馬鹿にされながら頼っていたのが、そんなことしなくて良いのです。

つまり、Bさんにとってはパワードスーツを手に入れたようなものなのです。

しかもBさんは抜け目がないので管理職に昇進しました。

会議で、嫌な案件や難しい案件が来ないように、それを他部署がやるべきロジックをAIに作ってもらい逃げ切ります。

失敗した案件も、他の部署の責任であるロジックを作ってもらいます。

成果が出ると分かっている案件を自分がやるべきだというロジックも作れます。

自分を馬鹿にしていたAさんの問題点を挙げて、彼を辞めさせ、コスト削減して評価を受ける方法も作れるのです。

そうなのです。

Aさんを駆逐するのは、AIではなく、AIでパワーアップした(従来Aさんがバカにしていたクソ上司の)Bさんなのです。

これ以外にも

日本の自動車メーカへの脅威や自宅の家電が便利になる未来も学べます。

そして、日本の明るい未来の可能性も学べます。

あっという間に読めますが、かなり中身があるのでお勧めです。

今週、鈴木さんと話をする予定なのですが、とても楽しみです。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?