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2021年 22冊目『起業の天才』

リクルートの江副浩正さんの本です。
まず、リクルート事件が起きた時に51,2歳だったというのに驚愕しました。
3年前までリクルートの本社機構にいたので大概の話は知っている話でした。
ただし、それは事象としてという意味です。
でも、著者の大西さん、丁寧に取材されていますね。


山田滋さんと江副さんとの具体的なやり取りは、もちろん知るわけもありません。
高橋理人さんたちがISIZE作った時の河野さんとのやりときも知りませんでした。
熊さんも出てくるし、楽しく読めました。

江副さんはサラリーマンをしたことがありません。
だから経営について書籍等で学び続けて、それを実践していました。
「経営者とはどういうものか、経営者ならなにをすべきか。私は常に学び、考え、その通りにやってきました。あなたがた、自分が経営者であると考えた事がおありですか」

これは故瀧本哲史さんが、江副さんが存命だったら、今の経営者に言うのではないかという言葉です。

・顧客にリクルートファームの新鮮な野菜を送る
・優秀者を表彰して、その場でその秘訣を話してもらいナレッジマネジメントする
・メンバーをうまく誘導し、素晴らしいアイデアに到達させ「先生!おっしゃる通り。流石経営者ですね。」とそれを担当させる。
・プロフィットセンターで社員皆経営者主義を実践。
・読売やダイヤモンドの攻勢へのNo1以外は死だと鼓舞。
・「東京・金持ち・エリート」に「地方・貧乏・野望」をぶつけて化学反応を起こす。
・男子より優秀な女性、差別されていた在日外国人を積極的に登用。
・位田さんの芯の強いエピソード(部下が考えた案は信じる)
・リクルート事件の年でさえ、増収、増益(過去最高益)。
・その時の三井不動産とのエピソード。
・ダイエーの中内さんが役員会にいる時の竹原さんの中内さんのモノマネ
・「リクルートの中で偉くても、しょうがなかったりして」というキャッチと一緒に三輪車に乗った少女に轢かれた役員の関さんのポスター。

江副さんが退任された後も、形を変えてリクルートに残っている文化のtipsが載っていました。

丁寧に取材して、良い所にフォーカスして頂き、嬉しくなりました。
リクルートマニアにはたまらない本ですね。

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