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2024年 18冊目『脳から見た日本精神』


仲間の「ありえる」こと鈴木さんに紹介してもらいました。
覚醒下手術の第一人者である篠浦都立駒込病院神経外科部長の著書です。
面白い本でした。

自分が脳手術を受ける際は、この先生から、少なくとも覚醒下手術で受けたいですね。

話は脳の話なのですが、縄文思想から武士道まで多岐に渡ります。

アンケートから自分の脳の使い方まで分かるのです。

ドクターブレイン(篠浦さん)、ミスター左脳、ミセス右脳が話をしながら物語が進みます。

ドクターブレインのスタンスは
技術が進歩するには、言語の入った左脳と現実に対応する右脳を交互に使い、らせん状に向上することが大事
というものです。

脳腫瘍には、西洋医療と東洋医療を一緒にやる統合医療が良いことが多い⇒そうすれば医療費も下がり、庶民の幸せにもつながる

左脳は言葉で物事をはっきりさせる脳
⇒左脳は自分と他人は違うという事を認識する脳

右脳は周囲との境界を無くしていく脳
⇒右脳に幸福感が入っているのは間違いないようだ

脳の手術を覚醒状態ですることで、問題が起きたら、そこで方針を変えられて、脳にダメージを与えないですむ可能性が高くなる。

そして脳の手術をしていて、大脳新皮質にある左脳、右脳問題と、大脳辺縁系にある偏桃体、報酬系と帯状回、小脳、視床下部の関係が重要だと分かったそうです。

側頭葉の内側にある偏桃体の機能が重要
⇒脳の手術中に左の偏桃体に近づくと突然怒り出して、攻撃的になる
⇒右の偏桃体に近づくと眠くなったりして逃避的になる
※日常生活ではストレスがこれらの起因になる

報酬系と偏桃体は好悪にかかわっている
⇒ただし衝動的なエネルギーが動かし、脳全体が働かないので必ずどこかで失敗する
※突然やりたくなるのは、ここの影響

これをコントロールして、長期的な視点で脳全体を働かせようとするのが、
帯状回、小脳、視床下部

楽な方向に行こうとする報酬系と偏桃体をコントロールするのが帯状回の前
の部分。

そしてストレスを乗り越えて立派に生きるための考え方の「型」を小脳に入れるのが良いのだと言います。

最初に新しい事をする際には大脳が関り、細胞数の多い小脳がその後それを受け取り、運動だけではなく、考え方や情動まで小脳に入るのです。

で、良い考え方を「型」として入れておくために論語などを読むのが重要だと言います。

そして視床下部は人間の意識と大きくかかわっているのです。
ここから脳全体に波動を及ぼすことで保っているのです。

生活習慣病の原因になるストレスも、ストレスにより偏桃体や報酬系が過剰反応してコントロールできなくなり病気になるのです。

また、偏桃体や報酬系が主体の人は、脳全体が使えないので、判断が悪かったり、最初は多少技術が進歩しますが、反省が無いのですぐに慢心して技術が落ちていくのです。

統合医療も西洋医療だけではなく、東洋医療も加えることで、より快癒に近づくと言います。

その後脳から見た教育で発達障害、武士道、自然と接する重要性、食、運動、魂の教育の話と続きます。

そして脳から見た仕事で、アンケートから分かる脳タイプの話に繋がります
株式会社バイオエルティという会社がやっているB-Brainテストというものです。

私は受検してみたのですが、
左脳と右脳が50%:50%
3次元脳(自分中心に捉え、全体を俯瞰した情報処理)と2次元脳(相手を中心に捉え、詳細な情報処理を行う)も50%:50%

人間脳は理想値で、動物脳プラスは理想値よりやや低く、ストレスに対して感情的な反応になる動物脳マイナスが理想値より少し高く、ストレス耐性も理想値よりやや低いのでストレス耐性は中くらいだそうです

最後の章は日本の歴代の有名人の脳を上述のテストで評価しているというものです。

前半の脳の話から、後半の仮説の話まで広範囲に学べる本です。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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