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2024年 17冊目『日本製鉄の転生』

巨艦はいかに蘇ったのか

日本の大企業はこんなにも変われる

そんなサブタイトルがあります

大学時代に金属材料や材料物性工学が専門だったので少し誇らしく感じました。

日立のV字回復の本、『ラストマン』の川村さんを思い出しました。

日立と同じく、最大赤字(▲4300億円)から最高益を出したのです。

アプローチも日立とよく似ていて、王道です。

2年以内にV字回復をすると宣言。

5つの高炉削減、32ラインを停止します。

労組、あるいは首長から大クレームが入りますが、断行します。

そして顧客対応。

負け犬体質を払しょくします。

日本だけの商習慣だったのですが、自動車メーカの価格交渉権が強くて、素材メーカの利益が圧迫されていたのも良く分かりました。

大学時代に、企業と話をしていて、まさに感じていたことです。

素材メーカは、良いものを作るんだけれど、儲けが少ない。

だから給料も自動車メーカーの方が良い。

かつては鉄は国家なりと言われた時代もありましたが、
素材メーカに行きたくなかった原因の1つでした。

この悪しき慣習が無くなって、
価値を提供しているところがきちんともうけを得られる社会が良いですね。

そして、製鉄所を6か所に集客し、V字回復を達成します。

その後も打つ手を休めません。

インドで過去最大M&Aを過去に考えられないスピードで承認を得ます。

凄すぎます。

海外で一貫製鉄所を作るのです。

そしてインドで新しい高炉を作るのです。

間もなくすると海外での生産量が日本を逆転するかもしれません。

では日本は不要なのか?

高級鋼で勝ち抜くために巨額投資をします。

うまくいった話だけではありません

人員削減で、経験が伝承されていないケースもあります。

OBを呼び出して復活を目指します。

これからの大きなテーマはアメリカです。

USスチールのMAがほぼ合意されたのですが、
トランプさんが反対しています。

トランプさんが大統領になるとひと悶着起きそうです。

橋本社長は、周囲からは野性と理性の間の人だと評価されています。

ご自身は、社員の給料をどれだけ増やせたかが、
こだわる指標だと言っています。

こんな親分いるんですね

もしかしたら入社していた会社です

これからが楽しみです

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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