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2024年1、2冊目『スティーブ・ジョブズⅠ』『スティーブ・ジョブズⅡ』


イーロン・マスクを読んで、スティーブ・ジョブズも良いよという方々がいたので今年の書評の最初にしました。

スティーブ・ジョブズは好きなので、彼の人生の大半は知っていました。

だから復習の感じでした。

しかし、それでもやっぱりスティーブ・ジョブズは大好きですね。

一緒に働きたいか?

うーん。

半々くらいですが、怖いもの見たさで働きたいですね。

概要をまとめたので長文です。

でも、一番最後に書いたジョブズの言葉だけでも読んでみてください。

とても参考になります。

Ⅰは、子供時代から始まります。

若くして学生時代に妊娠した生みの母から養子になります。

早くから養子だった事を知っていたそうです。

早熟で勉強もできて飛び級で中学、高校を過ごします。

学生時代にウォズアニックと知り合い、彼が技術を担当し、ジョブズがビジネスに仕立て上げるというのが始まります。

リードカレッジ(高額な授業料の私立で、両親に無理やり授業料を出して貰った)に進学するのですが、授業がつまらなくて中退。

しかし、中退後もお目こぼしで授業を勝手に受けていました。

そこでカリグラフィーの授業でフォントに出会い、今のPCが素敵なフォントを搭載する基礎になったのです。

中退してインドを放浪し、自分探しをしながら時間を過ごします。

帰国した後に、初期のPCに出会い、ここで能力を発揮するのです。

アップルという社名とロゴを考えたのがこのころです

パンフレットの上部には、「洗練をつきつめると簡潔になる」とレオナルド・ダ・ビンチの言葉を置きます。

アップルⅠ、Ⅱと次々にヒット商品を作ります

そのころ彼女が妊娠しますが、自分の子供だと認めずDNA鑑定までするのです。

その娘の名前(リサ)を製品の名前にするくらい愛しているのですが、初期の対応は、その後大反省する事になります。

ゼロックスのPARCから、いくつもの技術(GUIやマウスなどなど)を盗みます

偉大な芸術家は盗むと宣います。

ゼロックスは、これらの技術の価値が分からなかったのです。

これらを載せて、マックが出来上がり株式公開にも成功します。

しかし、現実歪曲フィールドで、色々な人をけむに巻きながら、多くの人を傷つけます。

バウハウスやポルシェのような美を求めて、工業製品にもそれ以上の美を求めます。

Aクラスの人々とだけ仕事をし(Bクラスが混じらないようにしながら)、最高の製品を作っていきます。

デザインが主導でテクノロジーをその制約の中で最大限のものを作るという発想なのです。

その後、自分は経営ができないということでペプシの役員だったスカリーをCEOに招きます。

取締役会の反対を押し切って1984のCMを流し、マックのブランド価値が大きく高まります。

マッキントッシュを発売し、オープン戦略のビル・ゲイツとクローズ戦略のジョブズの対比も興味深いですね。

そしてジョブズ30歳、1985年にスカリー達にアップルを追い出されます。

失意のどん底いたのですが、しばらくしてネクストを立ち上げます。

アップルの中堅幹部を抜いて、少し揉めます笑

そして、ピクサーと出会います。

この可能性に興味を持ちます。

ネクストは何度も危ない瞬間(というか良い製品が作れなかった)がありました。

ピクサーもそうです。

しかし、ディズニーと契約するなどで、難所を切り抜けます。

1991年に結婚をし、その前後にリサを引き取ります(その後も何度も喧嘩します)

トイ・ストーリの大成功までがⅠです。

そして続きのⅡ

アップルの業績は低迷を続けていました。

新しい魅力的な製品を作れていなかったからです。

スカリーから何代も経営者が変わっていました。

取締役会から次のCEOとして、ジョブズが指名されました。

しばらくはiCEO(暫定CEO)だったのですが、大改革を断行します。

パソコンだけで30あった商品群をプロと一般×ノートとデスクトップの4つに絞ります。

この話大好きで、KPIマネジメントの絞る時にこの話を良くします。

宿敵だったマイクロソフトとも組みます。

有名なThink DifferentのCMで商品と一緒に復活ののろしを上げるのです。

そのころにジョニー・アイブと出会い、彼がジョブズの考えをデザインにするのです。

できたのが、iMac。

今までのPCとは一線を課す画期的な商品でバカ売れしました。

そしてティム・クックと出会い、飛車角が揃います。

アップルの強さは全体の統合にあります。

デザインからハードウェア、ソフトウェア、コンテンツに至るまでが一体となっている事が強みの源泉なのです。

だから、社内の各部門は並行して走りながら協力すべきだと考えているのです。

「緊密なコラボレーション」と「同時並行のエンジニアリグ」が重要だと言います。

エンジニアリングからデザイン、製造、マーケティング、物流と順番に製品が流れていくのではなく、アップルの開発プロセスでは、様々な部門が拠力しながら作業を進めていくのです。

「僕らは統合された製品を開発するのだから、プロセスもコラボレーションで一体化する必要がある」

これが、まさに全体最適な仕事の進め方ですよね

アップルには「PLを持つ『部門』はありません。会社全体で損益を考えるのです」

→これ凄いですよね。全体最適の究極の形です。ジョブズが全体をコントロールしているんです。

その後、誰もが反対したアップルストアを大成功させました。

顧客接点の体験までをコントロールしたいと考えたのです。

そして音楽業界にイノベーションを起こした、デジタルハブ構想が始まります。

iTunesとiPodです。

1曲99セントという破壊的なコストで市場規模を大きくします。

ボブ・ディラン、ボノ、ヨーヨー・マ、ビートルズなどを取り込みます。

ピクサーも大きく成長します。

一時期はディズニーと仲たがいしますが、

ディズニー側がピクサーがいないとヒット作ができないとMAします。

しかし、その部門のトップはピクサーの人たちがなるのです!

50歳のころガンの第一ラウンドになります。

そして2007年あの有名なiPhoneのプレゼンと大躍進が始まります。

2008年にはガンの緊急手術です。

2010年にはiPadを発表します。

PCとアイホンの間の商品ってプレゼンでしたよね。

これで出版と報道に革命を起こします。

その後グーグルとオープン&クローズの戦いを始めるのです。

その後もiCloudを一早く立上げ、新キャンパスで協働するオフィスを創り出します。

※これってベル研究所の話と似ています。

2011年ガンの第三ラウンドです。

ゲイツも会いに来たそうです。

最後に企業がだめになる理由について言及しています。

イノベーションを生みだした会社が市場を独占しだすと、製品の質の重要性が下がってしまう。その代わりに重用されるのが、凄い営業だ。売上メータの針を動かせるのが製品エンジニアやデザイナーではなく、営業になるからだ。営業畑の人が会社を動かすようになる。そうすると製品畑の人間は重用されなくて、その多くは嫌になってしまう。

スタートアップを興してどこかに売るか株式公開し、お金を儲けて次に行く、そんなことをしたいと考えている連中が自らを「アントレプレナー」と呼んでいるのは、聞くだけで吐き気がする。連中は、本物の会社を作るために必要な事をしようとしないんだ。
それがビジネス世界で一番大変な仕事なのに。
先人が残してくれたものに本物をなにか追加するにはそうするしか方法はないんだ。1世代、あるいは2世代あとまで、異議を持ち続ける会社を作るんだ。アップルもそうなってほしいと僕は思っている。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。
よかったら、手に取ってみてください。

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