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2024年 15冊目『あの日』

STAP細胞の小保方晴子さんの本です。

「小保方さんから見た」STAP細胞騒動の話がよく分かります。

彼女から見たら、こう見えているんだというのが極めて興味深いです。

この本に書いていることが真実ならば、STAP細胞の有無を分かりませんが、(大事なことをあいまいにしているけれど)彼女がそこまで責められる必要があったのかとは思わせる内容になっています。

STAP細胞の論文は、14年1月、英科学誌ネイチャーに発表されました。

当初は「世紀の大発見」と話題になったのですが、画像の切り貼りなど疑惑が噴出。

後で理研の調査委員会が論文そのものを不正と認定し、撤回しました。

小保方さんは論文の筆頭著者なのですが、彼女曰く、論文の重要な著者は最後に名前が出る人である。

筆頭著者が責任者であるという誤解がマスコミの一斉砲火を浴びた理由であると言います。

論文作成当時、小保方さんは最小研究室に抜擢された直後であり、研究の大半を実施した時はポスドクに過ぎなかった。

このような大きな研究の最終責任者が私の立場の人間であるはずはない。

この時系列が正しいのであれば、彼女の意見にも一定の理屈は有ります。

ただし、悪意は無かったという主張ですが、写真の使いまわしや、ノートの記載の仕方など、研究者としての基本的なところはまったくできていなかったようですね。

いわゆる確証性バイアスで都合の良いものだけを選んだってことですね。

彼女以外の超一流の研究者たちも一次情報どころか研究結果すら見ていなかったという事ですので、これで論文にできたのは凄い話ですね。

小保方さんの主張は、ES細胞混入というシナリオができて、そこにすべてつじつまを合わせられたというものでした。

再現性があればという一縷の望みも、プレッシャーの中ではできなかったという見解でした。

※科学の世界では論文を評価すべきであり、その論文が成立していないのであれば、再現できても意味がないという意見が正しいようです。

小保方さんの側から見ると、もし混入があったとすると、山梨大学の若山さんだけが捏造できたという事だそうです。

この本によると小保方さんが蛇蝎のように嫌っていた毎日新聞の須田桃子さんという方がいます。

ぐぐるとこの件で、本を書いているようなので、次に読むことにしました。

川は両岸から見て川ということわざがありますが、それを実践しようと思ったからです。

▼前回のブックレビューです。

▼新著『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』です。

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