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2022年12冊目『一般システム理論』

ルートヴィッヒ・フォン・ベルタランフィの本です。
松岡正剛さんの塾に通っているのですが課題図書です。

・べルタランフィは、20世紀で最も知られていない知の巨人

・システムとは「相互連関する諸要素が複合関係的にくみたてている動向の総体」
→電気通信もシステムだし、ヒマワリやシェパード犬もシステムであって、テレビ受像機も郵便制度も交響曲もシステムであり、また個性のような心理的なものも、学校のような制度と知識と人員がくみあわさっているものも、また法律も、道徳でさえシステム
→一般システム理論(GST)の「一般」とは共通する特質は何かということ
→遍的なモデルを生物体においた
→生物は開放システム
→生命体の各部がつねに「自己」をとりまく環境とのあいだを動的に調整しながらオーガニックな自己編成をしている。この自己編成力の鍵はおそらく
「情報」

・大半の非生命的なシステムは川や炎のような例外をのぞいて「閉鎖システム」。環境から情報を自主的にとりこまないし、自分で成長することがない。

・閉鎖システムは、エントロピーの増大を回避するすべをもっていないし、他者とみずから交わることもない。交わるには、情報のコーディングと送信と受信とデコーディングとが必要。機械とはそういうもの。

・生物システムの発展を階層的秩序として4つのタイプをもって進むと考えた。
1複雑性をもつようになる前進的統合化
2システムの内部に部分と部分の連関がおこる前進的分化
3代償として機能や器官の固定化する前進的機械化
4統合的に調整して行動を強化する前進的集中化
→のちにロボット工学の基本方針

・同形(相似)ならびに同形(相似)性の重視
1同形性はシステムのなかの階層(レベル、レイヤー)のどこにあってもよい
2同形性は各階層の固定的な限界をこえて「システム特性」として機能する
3同形性をどこかに内蔵したシステムは相互に共通する特質をもつ

・システムをまたいで認められる同形性」が、システムの特異な自律性の秘密をあらわしているのではないか

・有機体論:ベルタランフィのシステム観は、ホワイトヘッドやウォディントンや、フラーやローレンツやベイトソンや、さらにはもっとデキの悪い成果と一緒になっている
→ベルタランフィが考えたシステム論は、必ずしも生物体だけにあてはめるものではなく、有機体としてのシステムについての正確な理解こそが他のあらゆるシステムの理解にとっても有効であることを強調した。だからこそベルタランフィのGSTは、ノイマンのサイバネティクスや、情報通信理論や、そしてロボット工学に先行できた。

・ベルタランフィ自身は、還元主義的思考法に対するに「遠近法主義」(perspectism)とよんだ。ベルタランフィが示唆していることは、「認識とは適用である」ということ。
→松岡さんが最も影響をうけた「認識とは適用である」
→生物学の「行動とは適応である」の見方を深めたもの。
→認識と適用のあいだに「システム」が必要!

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