vol. 16(2019/10/14)平和の森公園新たな訴訟/中野区課長サンプラザ再開発講演3万円/児童館さらに9館減らす方針/子育て支援計画/台風19号
▽平和の森公園の発泡スチロールを広域避難場所の不燃化義務違反とする新たな住民訴訟
中野区の平和の森公園 (東京都中野区新井) "再整備" 工事に関し新たな住民訴訟が提起された。第1回口頭弁論は2019年11月8日 (金) 13時50分から東京地方裁判所803号法廷。誰でも傍聴可。
この訴訟は、平和の森公園に埋設された大量の発泡スチロールが広域避難場所の不燃化義務違反であるとして、中野区が酒井直人区長に対し発泡スチロールの代金1億213万円 (見積価格) の損害賠償を請求することを求めている。
区はこの訴訟が提起されたことを10月8日の中野区議会総務委員会で報告した。議員の質問はなかった。
一方「守る会」による平和の森公園住民訴訟は12月4日(水)13時25分から東京地裁で判決が言い渡される。
平和の森公園"再整備"工事の現況は下記参照。
▽中野区課長のサンプラザ跡地開発セミナー会費3万円。区はサンプラザ素案公表
中野区まちづくり推進部の石井大輔・中野駅新北口駅前エリア担当課長が、JR中野駅北口前の中野サンプラザと隣接する区役所を壊した跡地に想定されている「多目的ホール」などについて講演するセミナーを、日本計画研究所が11月に開く。会費3万3550円。自治体一般職公務員の話を業界関係者が3万円払って聞くの? すごいね。セミナーのお知らせ→ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000314.000042328.html
一方、中野区は10月8日、サンプラザ跡地開発などを含む「中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画(素案)を公表した。公表された素案→
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/163000/d027715_d/fil/001.pdf
区は、区議会第3回定例会が10月16日に終わった翌日の17日直ちに第13回区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議(“最終回”)を開催、続いてすぐ19日と23日に素案に対する区民の意見交換会を開く(今週の予定下記参照)。年明けに跡地の買手/デベロッパーをプロポーザル方式で募集。
なお、8月に杉並区の田中良区長による阿佐ヶ谷開発についての講演が予定された、同じく日本計画研究所によるセミナーも会費3万円だった。ただし松尾ゆり杉並区議(無所属)によると、申し込みページにいくと「セミナーが存在しません」と表示された。
▽児童館はさらに9館減らし9館残す方針。具体的な館名明かされず
中野区は28あった児童館を既に10館潰して残りは18館だが、浦野さとみ区議(共産)によると、10月7日の区議会子ども文教委員会などで、そのうちさらに9館減らし9館(中学校学区に1つずつ)残す計画が報告された。
どの児童館を潰しどの児童館を残すかは明かされず、「具体的な場所については今後の区の基本計画の中で示していく」として、時期についても明言されなかったという。中野区は田中大輔前区長の児童館全廃計画を見直し中。
関連まとめ→ https://twitter.com/i/moments/1139674215630565376
▽子育て支援計画素案も公表
中野区は「子ども・子育て支援事業計画(第2期)素案」を公表した。
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/651500/d026682_d/fil/20191011h2.pdf
素案に対する意見交換会を10/24(木)14:00南部すこやか福祉センター、10/25(金)19:00野方区民活動センター、10/28(月)19:00区役所で開く。
▽台風で区HPアクセス集中
10月12日、台風19号が東京を直撃、中野区は区民活動センター15カ所に一時避難所を開設、計数百人が自主避難した。区内では河川の氾濫はなかった模様。区ホームページにアクセスが集中しなかなか閲覧できなくなるなど、災害時広報体制の問題が明らかになった。
▽今週の予定
10/16(水)10:00中野区議会議会運営委員会
10/16(水)13:00中野区議会本会議(議案等議決)
10/17(木)10:30第13回区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議(“最終回”)。中野区産業振興センター
10/18(金)19:00中野区基本構想審議会。中野区役所
10/19(土)14:00中野駅新北口エリア再整備事業計画素案意見交換会(区役所・中野サンプラザ跡地開発などの件)中野区役所
*区議会、区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議、中野区基本構想審議会傍聴可
https://nakanocitizens.hatenablog.com/entry/calendar
▽平和の森公園第2工区工事現況。300mトラック、トップライト工事進む
前週は、元草地広場の300メートル陸上トラック、地下下水道処理施設トップライト(天窓)、トラック西側の擁壁、築山撤去跡のコンクリート滑り台、壁泉階段などの工事が進んだ。各所の工事を急ぎ始めた気配。公園南西部には砂場に続き児童遊具が設置された。台風が直撃したが伐採を免れた木は無事だった模様。第1工区では1700万円かけて多目的運動広場の外野ネットかさ上げ。未開園区域の中野区立総合体育館も急速に建ち上がり始めた。
300メートルトラック走路と100メートル走路は9月24日から平らに整地されたあと、10月8日、灰色の砕石が敷き固められた。
10月8-10日、300メートルトラック支障エリアと元草地広場西側のトップライト計10カ所が埋め戻された。
300メートル陸上トラックの走路工事の支障となっているトップライトを含む、元草地広場西側に6個並んだトップライトは、10月2日と3日に全て破壊された。
トラック内側に8月21日からフレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ、容量約1トン)が数十個置かれ、9月18日から数個ずつ中身の白い粉がトラック内側の土に混ぜ込まれた。この粉は実施設計報告書に記載なく不明。
8月30日の説明会での細野公園緑地課長の発言によると走路は "緑ゴムチップウレタン" 舗装。工事請負共同企業体(JV)の住友林業緑化によると施工は9-12月。内周にぐるりとU字溝を設置(雨水排水設備工)、U字溝には緑のゴム蓋。U字溝から下水道(合流式)に直結する雨水排水管も設置。
平和の森公園には地下下水道処理施設のトップライト(天窓)が多数あり、一部のトップライトがトラック走路上の工事支障物で削って塞がなければ走路が作れない。細野課長は説明会で”上からは何もやっていないように見えるが下で足場を組む準備をしている”としていた。東京都下水道局と合意したやり方で閉塞すると2カ月はかかるはずなのだが。
一方、トラック走路上とは別の、元草地広場西側トップライト1カ所の閉塞工事は9月27日再開されていた。同日、黒いアスファルトが四角い部分(以前破壊されたトップライトの穴)を埋め、28日その上に白いコーティングがされ、10月4日からアスファルトが流された。東京都下水道局と合意し中野区議会で7月に予算増額が認められた工法と違う。近くでトラック西側の擁壁も工事が進んでいる。
小さい子たちの遊び場だった築山を潰した跡地にコンクリート製滑り台が建設中だが、小さい子には危険だとして反対が強い急斜面が9月26日に作られた。10月中旬現在、コンクリートを少しずつ流し込んで滑り台を形成している。
コンクリート製滑り台は、築山を撤去した跡地に発泡スチロールを積んでまた土を盛り、一部下地のコンクリートを打ったあと、8月の炎天下に作業員がスコップで手作業で溝を掘って遣り形(位置決めのため仮設する木杭や板)を設置。9月初め遣り形撤去、17日に再び遣り形設置していた。
東京都下水道局中野水再生センター青壁前の "壁泉" は9月13日、舗装が始まった。9月28日に階段を作る工事開始、10月10日階段完成。壁泉は “水とみどりの避難場所” を実現するための水をこの公園に注ぎ込むはずだったが、ついに稼働することはなかった。“再整備” 実施設計報告書によると、ラジオ体操お手本などの “ステージ” に変えられる。
未開園区域のじゃぶじゃぶ池予定地周辺は、9月10日、除草のあと11-12日、土が除けられ地下下水道処理施設の覆蓋が露出。
8月下旬、園内灯を元草地広場と園路付近に設置、元草地広場の北西でバーベキューサイト着工、公園南西部の”入口12“工事開始、公園南西部の児童遊具着工、300メートルトラック西側の擁壁着工。
トラック工事支障木など樹木1万2000本伐採は3月に完了。トラック工事のための元草地広場への1億円の"燃える可能性がある" (by豊川前都市基盤部長) 発泡スチロール埋設もほぼ済み。10月10日、元草地広場の野積み発泡スチロールに赤い逆三角の印がついたロープが張られた。
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