【生徒のつぶやき】2022年5月25日

「先生は高校時代の文化祭の思い出はありますか?」

〔代表より〕
静岡高校吹奏楽部は文化祭を1年生のデビュー戦と位置づけていました。したがって楽譜通りの譜面割ではなく、いくつかの曲のメロディー部分を1年生のソロに変えていました。

当時は静岡市民文化会館の大ホールで文化祭をしていました。1年生のソロはステージの前方に出て演奏します。ステージの前方にはソロの演奏をホール中に拡散させるために、マイクが2本、上手側と下手側にありました。

私は平井堅の「瞳を閉じて」の一節を、トロンボーンの同期と一緒に演奏することになりました。先輩たちからは、ソロ演奏の数小節前にマイクのもとに移動し、マイクの集音部分を自分の楽器のベル(音が出る部分)に向けるようにと指示されていました。そして下手側のマイクを同期が、上手側のマイクを私が使うことで配置は決まりました。

リハーサルでは「肝練(ポイント部分だけ演奏する)」を行い、つつがなく進行しました。しかしいざ本番を向かえると、予想もしなかった事態が起こりました。私のソロの2拍前まで、別の楽器の同期が私が使うマイクを使ってソロを演奏しているではありませんか。

かつ、先輩から1年生はソロの後に一発アピールをするように、というお達しがあったのです。そしてその同期は、マイクの前の立ち位置に留まったまま、アンガールズの「ジャンガジャンガ」を一人でやり始めたのです。

結局私はマイクから離れたところで自分のソロの部分を演奏しました。しかし、伴奏の音が大きかったことや、ホールが広かったこともあり、私の音はほとんどホールには聞こえませんでした。

そんなほろ苦いデビュー戦が思い出です。

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