【生徒のつぶやき】2022年5月7日

「自分のマイペースな性格がいやです。周りの人に迷惑をかけてしまっている自覚がありますし、自分でも困ってしまうことがあります。」

〔代表より〕
確かに、特にテストや入試を考えたときに、マイペースであることは弊害が多く感じるかもしれません。マイペースだといつまでも宿題や自分の課題が終わらなかったり、勉強以外の作業に時間がかかったりすることが多いかもしれません。勉強に関しては、例えば計算や漢字などの学習は、時間を計って取り組むと反応も早くなりますし、それとともに正確さが増します。

しかし、長い目で見ればマイペースであることは決して悪いことではありません。特に若いときはグループで議論したり作業したりするときに、とかくスピードを重視しがちです。早く計画を立てて、1日でも早く作業を始めるのが「美徳」だと皆思っています。ところが、性急に立てた計画は往々にしてミスや見落としも多いものです。そして、性急に立てた計画ではそういうミスに対する対応策まであらかじめ想定されていないことも多いのです。

マイペースであることは、スピードを重視する場合にはマイナスの方向に働くかもしれません。ただし、正確さや着実さを重視するときには、絶対に必要な性格であり、素質なのです。マイペースな人の存在は、急進化・過激化しがちな集団のストッパーとして、「最後の砦」として、大活躍するというのも、これまたよくある話なのです。

若いうちはマイペースなことはマイナスに作用することが多いかもしれません。そういう意味であなたが今抱えている悩みは、しばらくの間ついて回ることになるでしょう。しかし、それを「治す」ことは考えなくて良いです。あなたのマイペースな性格が、絶対に集団において皆を支えるときがくるはずです。

ただ、先述したように、勉強においては早く処理した方が有利になることもあります。計算や漢字、あるいは単純な暗記物は時間を計ったり、あらかじめ短い時間を設定したりして取り組んでみてください。あなたのマイペースなところは欠点ではありません。せっかちな私にとっては、着実にものごとを進めようという姿勢がうらやましいです。マイペースを「治す」のではなく、マイペースな自分と付き合うことに挑戦してみてほしいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?