生活の不便さと向き合って引っ越しを決めた私たちが「暮らし会議」で移住を決めるまで
私は大阪の賃貸戸建で家族と暮らしていますが、いま、2023年5月移住に向けた作業の真っ最中です。ここ数年で生活の変化とともに不便が増えたことをきっかけに、生活を見つめ直し、引っ越しを決意、家を買うための『暮らし会議』を始めたところ移住することを決めました。そのプロセスをまとめておこうと思い、このnoteを書いています。
これから家を買う予定の人や、将来的に今の家から引っ越したいけど何から始めたらいいか分からないという人には参考にしていただけると思います。少し長いですが読んでください。
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https://note.com/nakanoemi3/m/ma90cb75afd53
家族のこと
我が家は4人家族で、家族構成はこんな感じです
現在は大阪府の池田市、徒歩圏内に暮らしに必要なお店などが全て揃っている地域に暮らしています。とても便利で美味しいお店もたくさんあって便利で素敵な場所です。
結婚してから暮らしている今の家
今住んでいる家は賃貸の一軒家で、結婚したときに夫と2人で住みはじめました。築32年2階建2LDKの家は2人で暮らすには広さは十分で収納を持て余すほどでした。
夫が趣味(というにはなかなか本気ですが)で舞台美術をしているので、車は近隣の駐車場を月極で借りてガレージで大工仕事をするようになりました。私は2階の洋室を仕事部屋にして、考える作業に行き詰まると近くの喫茶店に自転車で行きたい仕事をしたりして過ごしていました。
暮らしは変わる、現れた不便さ
隙間風や底冷えなどはあるものの、利便性もよく暮らしやすいと感じていた家。子どもが生まれてから少しずつ「不便」なところが生まれてきました。
不便1. ガレージから玄関に入るまでの動線
ガレージでベビーカーを置いてそこから荷物を抱え、子どもを抱っこして階段を登って玄関に入り靴を脱ぐ(脱がせる)と部屋に入るまでに開戸をもう一度開けなければいけず、一度置いた荷物をもう一度持ち、子どもを抱っこして部屋にやっと入るという状況でした。
今は子どもが成長して(と言ってもまだ小さいですが)自分で歩けるし扉も開くことはできますが、長女が2歳になるまではとても大変な場面が多々あり格闘したものです。
不便2. 傾斜の激しい階段
2階への階段がとても急だったこともなかなかに苦労しました。こちらは大変というよりも危なくてヒヤヒヤした場面が。どんなに注意をしてもうっかり足を滑らせてしまうことがあったり、1階で寝ていたと思っていた娘がいつの間にか起きて2階に上がろうとしていたり。
「手すりをしっかり持って」「前を見て歩く」「階段ではふざけない」の三つの言葉を口を酸っぱくして言っています。引っ越したら急な階段だけは避けようと誓いました。(今度は自分たちの老後が心配だし)
不便3. お隣まで30センチ
お隣は同じ家主さんが貸し出している賃貸物件で、近いというよりガレージなんかは繋がっています。キッチンが隣り合わせで電話で話している声が聞こえるくらい(会話もなんとなくわかってしまう)なので、子どもたちの声はさぞ騒がしかろうと想像に難しくありません。
特にクレームが入ったわけではないんですが、なんとなく自分で気にしてしまう。夜、子どもたちが楽しさのあまり大きな声で歌ったり話したりする声が「楽しそうでいいね」ではなく「大きな声は出しませんよ」になるというなんとも言えない気持ちに。そして言ってもなかなか声は小さくならない現実(寝てようやく静けさがやってきます)
それから、夫がガレージで大工作業をするのでその音も気になるよねという話をしていました。
不便4. 狭い道
駅からそこまで遠くなく(歩けなくはない)買い物にも病院にも困らず、学校施設もたくさんある地域は人がたくさん集まってきます。そうすると住宅もたくさんあり、結果今住んでるあたりは道幅が狭い場所が多くて子どもを連れていると危ない場面が多々あります。
そして道がガタガタしている。頑張って舗装してくれていると思うのですが、腱鞘炎の手でベビーカーを押して悪化させたのを今でも鮮明に覚えています。辛かった。
今は電動自転車で前と後ろに子どもを乗せて走っていますが、いずれ子どもが自分の自転車を持ち、別々で道を走った時に常にヒヤヒヤしながら走ることになるだろうと想像してしまいます。この道幅はきっと変わらないですから。
不便5. 窓からの景色
夫のリモートワークが増えて週に3日程仕事部屋で背中合わせに机に向かって仕事をしています。それぞれの机の前に窓はあるのですが、隣の家と近いため常にレースカーテンで閉じられています。必然的に部屋が暗くなるので午前中でも曇りの日は室内のシーリングライトをつけています。
自然光の部屋の空気感が好きなので、そんな日はなんだか気持ちが上がらず、どんよりしてしまいます。カーテンを開けて自然光の中で窓の外の空気を感じながら仕事したいものだな、と思う日々です。
現れてきた不便をやり過ごしながらそれでも楽しく生活をしていたのですが、どちらからだったか「いつまでも賃貸というわけにはいかないね」と話し始めました。
夫の知人でずっと賃貸に住み続けている人もいるのでできなくはないし、気軽に住み替えられたり、メンテナンスを自分たちでしなくてもいいなどのメリットもある。まずなぜ賃貸ではダメなのかから会議が始まりました。
まずこの時点で賃貸の選択肢は無くなりました。(DIYできる賃貸もありますが、なかなか条件に合う物件が見つからず…)
賃貸でないのであれば家を買わなければいけない、一括で買うようなお金はない、私たちも30代半ばであることを考えるとローンを組むならそろそろ本腰を入れて取り組まなければいけないのではないか?ということに夫と2人で気が付きました。
本来結婚するときにこういうビジョンは立てておくものなのでしょうが「子どもは2〜3人欲しい」「いずれ家を持ちたいね」ぐらいのぼんやりしたビジョンでした。(しっかりせんかい)
私は小さい頃に引っ越しした思い出はなく、転校生が来てはざわざわしていた側の子どもだったのですが、ある程度大きくなってから転校すると仲が良かった友人と離れたりして寂しいかなと考えると長男が小学校に上がるまでがいいなとという結論に達しました。
暮らし会議はじまる
お待たせしました。ここまで長かったですね。めげずに読んでくださってありがとうございました。
さて、「今の家から引っ越す」「家を買う」「3年以内に」というワードが決まり、家を買うための暮らし会議が始まりました。本来娘と息子も一緒に会議に参加してほしいところなのですが、まだ小さい為私と夫でどういう環境が良いか、一人部屋は欲しいだろうかなど成長した2人のことを想像しながら考えました。
会議1. どんな暮らしがしたいか書き出してみる
まず一番初めにしたのが、お互いの希望をノートに書き出してそれに優先順位をつけていくこと。写真だと読みにくいので、優先順位の高いものからそれぞれ書き出してみますね。
会議2. 共通点を見つける
共通点がいくつかあるのがわかっていただけるでしょうか。
広い作業場
味わいのある和風の建築
小学校やスーパー、駅などが自転車で行ける範囲にあること
この時点で新築ではなく中古物件をリノベーションして住むこと、車は1台持っているけれど、車が必ずないと暮らせない場所ではないこと、隣の家との距離が離れていることなどの譲れない条件が明確になりました。(と言いつつ揺らぎます)
会議3. お互いの違いを認識する
一人が気にしているけれど、もう一人は全く気にしていないものもありました。例えば「寒さ」について。
私は寒さに弱く、冬場のお風呂がとても嫌いです。築37年のお風呂はリフォームされていましたが、壁や窓からの冷えがあり一番風呂がめちゃくちゃ寒かったのです。言い過ぎかと思いますが、冬の海に飛び込むくらいの気持ちでえいやと服を脱ぎ、猛スピードで身体を洗い、湯船に飛び込む、そんな感じです。
寒くなってきたらまたこの季節が来たかと鬱々とするので、寒いお風呂場は嫌だ!と一番目に上げたのですが、夫のリストを見てみると入ってすらいない。目を疑いましたが、夫は冬のお風呂でも寒がる様子がないのです。筋肉量の違いでしょうか、信じられません。
優先順位の高い条件はお互い尊重しようという話をしていたので、寒いお風呂には絶対しないぞという気持ちでした。
反対に、夫は綺麗好きなので「水回りが新しく使いやすい」というのが4番目にきています。料理は基本私がしますが、私はそこまで拘っておらず(この時は)夫が水回りを気にするという、掃除のしやすさにもこだわると言っていました。皆さんのご家庭はどうでしょう?
お互いの違いを知っておくことで、相手の主張に納得できることが増えてきます。例えば私が「お風呂場に暖房を付けたい」と主張するとします。そこで私が寒がりなことを夫が認識していなければ「どうしてそんなものをつけるの?」と押し問答が始まります。違いを知っていることでスムーズに気持ちよく家の相談ができるようになると感じました。
ちなみに夫の「駐車スペースが敷地内にあり、ゆったりしている」この項目、引っ越したばかりの時にガレージに車を止めようとして側の電柱に擦ったり、動けなくなったりした経験からです。
今は近隣の駐車場を借りていますが、そこまで移動して車に乗ってというのが地味に手間がかかるので、家のすぐそばに車は止めれたほうがいいよねという話。
いざ物件探し
お互いの希望は出た、方向性も決まったということで、家を探し始めます。この時点では今住んでいる地域からそこまで遠く離れる気はありませんでした。住宅情報サイトで「駅名・通勤距離・4LDK以上・戸建」検索ました。住宅ローン控除が適用されるよう築浅の物件を中心に探しました。
検索結果:7件
ありました。早速どんな物件があるのか見てみると、どの物件も隣の家との距離が近い。庭もない。少し範囲を広げてみると、今度は駅からの距離が遠い。バス移動になる、これは難しいねとなり、今度は夫の勤務地からの距離で検索し始めました。
余談ですが、そのとき見つけた物件検索サイト「R不動産」普通の住宅検索サイトでは出てこないようなおしゃれで変わった物件があって、楽しいです。今も時々見ます。(別荘とかがあったりする)しかし残念ながらここでも見つかりませんでした。
とりあえず不動産屋を訪ねてみる
物件探しが難航する中、そもそも自分たちの収入でどれくらいの家を買うことができるのかわかってないのでは?ということに気がつきました。「中古リノベ」で検索した中で出てきた中古住宅のリノベーションを得意とする不動産屋を訪ねてみることにしました。
今思えば、本来ここでファイナンシャルプランナーに話を聞きに行くのが先だったなと感じますが、そうはしませんでした。住宅にかかるお金のこと、家族4人がこれから生活していくためのお金がどれくらいかかるのかなどが本当にわかっていませんでしたから。
そこではまず、夫の年収、会社から住宅ローンがどれくらい借りることができるのかと自分たちが希望する家がこの辺りにどれくらいあって、リノベーションにどれくらいの金額がかかるのかなどを調べてもらいました。
あくまでも住宅ローンの上限を調べてくれたのであって自分たちが借りていい金額を調べてくれたわけではないことを後々学んでいくことになります。
この不動産屋ではいくつか物件を見せてもらって、庭もあるし広い部屋もあるから作業部屋になりそう!というなかなかいい物件もあったのですが、「ここはどこだろう?」というくらいその家のある街がわかりませんでした。そこは閑静な住宅街で、とても静かでした。見渡す限り住宅がある、ここに住んで楽しいのかな?なんだか殺風景だなぁと感じたのを覚えています。
その物件は一旦保留にしたまま、引っ越しまでまだ3年以上あるということで1年何もしないまま過ごしていきます。保留にしている間にコロナ禍になり、夫のリモートワークが始まりました。週に1回、2回と徐々に増えていき、週3日は在宅で仕事をするという状況になりました。
夫からの提案だったと思います。都道府県を越えるという選択、とてもワクワクしたのを覚えています。引っ越しまであと2年、ここから本格的に家探しが動き出します。書き出してみるとなかなかに長い道のりですね。まだ住む土地すら決まっていないですから。
中古の家を買うと決めた時点ですでに建っている家を探すわけなので、早いと思っていたのですが違いました。ただ中古の物件があればいいわけではなく、立地や間取り、家の状態などそのどれもが譲れなくて希望の条件に出会うまではなかなかに苦労をしました。
ですが、この『暮らし会議』でしっかりお互いの希望を出していたおかげで「こんな暮らしがしたい」という一つの目標に向かって夫婦で取り組めたと思います。
さいごに
「どんな暮らしがしたいか」結婚や引っ越しのタイミングでしか話す機会はなかなかないと思います。暮らしは年齢や仕事、好みなどでも変化していくものなので、引っ越してからも定期的にこの暮らし会議を開催していきたいものです。
皆さんも晩ご飯の時でも晩酌の時でもいいので家族と今の暮らしどう?これからどんなふうに暮らしたい?なんて話をしてみてください。新しい発見があるかもしれません。
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