仕事とか経営の話
大学生の頃、就活をしなかった。
働くことが嫌だったし、面接で”いかにも”自分をおおげさにPRすることに負い目を感じた。
社会はクソだと思っていたし、今も少し思っている。
「働くのが嫌」というのは、仕事というもののが”嫌なことをただ耐えること”、”誰かを騙してお金を得ること”というイメージしか持てなかったから。
建築という分野では、大学卒業頃、全国的にはすでに空き家が増加しているにもかかわらず、一方で住みやすい都市部ではハウスメーカーがバンバン家を建て、駅前にもマンションが乱立していた。
「みんながもっと空き家をうまく活用すればいいのに」「本当は必要ないかもしれないこれらを建てた会社は、自分の会社さえ儲かればそれでいいのか」と悲しくなった。
今でも、大きな会社が平気で消費者を騙すようなことをしている。
レオパレスの施工不良問題とか、ケータイ会社が高齢者に不必要な契約をしていたり。
仕事ってなんなん?会社ってなんなん?と思う。
昨年、秋から家島でカフェの運営をはじめた。”週末島活”という二地域居住の取り組みのひとつとして。
「カフェ スコット」
HP:http://shimakatsu.ieshimacon.com/cafe
インスタ:https://www.instagram.com/cafe_scott/
ぼちぼちと一人でお店をあけていたが、どうしても毎日開けられない。(13時から16時までという短時間でも)
毎日あけないと島の中で定着しないので手伝ってくれる人を探していた。
2月から縁あって、アルバイトの子が来てくれることになったが、正直、アルバイト代が払えるかかなり心配(離島にして時給900円)。
このカフェ運営は、いえしまコンシェルジュ第2章だと密かに思っている。
これまでも会社として、人件費を支払ってきたがそれは全部「仕事が発生したとき」に限ってのことだった。
ガイド事業では、ガイドの依頼を受けたとき。
特産品の企画製造では、特産品のパッケージングを島内の福祉作業所に委託している。
男鹿島うみのいえ事業はそもそも共同運営をしている。
会社としてはじめて「仕事があってもなくても人件費がでていく」という状況になった。
だが、実際とっても助かっているので、なんとか払えるように頑張っていきたい。
何より楽しそうに仕事をしてくれているので、とっても嬉しい。
これまで、空き家とかまちづくりという意識で、あまりお金には執着がなく、なんとなく会社をやってきたが、人を雇うということはとんでもない社会貢献かもしれない。と感じた。
もし、僕の会社で100人を雇用することができれば、その家族を含めて家島に住む人を100人以上増やせることになる。
先日、坊勢島で漁師30人を雇用する社長の話を聞いてきたが、やっぱりすごかった。
「海はみんな一緒。魚が獲れる量はそんなに違わない。いかに無駄にしないか」と言っていたし、やっぱり社長が一番働いていた。
2000人ちょっとしか住んでいない島で30人の給料払うってすごい。。。
また、この間、姫路で入った居酒屋では、僕より若い女性が何店舗もお店を経営していた。
素晴らしいと思ったのは、そこで働いている人たちが「自分の店が終わったら同じグループの店で飲むことが多い」ということ。
働いている人たちからそれだけ信頼・安心される仕事場をつくっているということをまざまざと感じて、正直ちょっと嫉妬した。
たぶん、働く人は給料がどうこうというより、居心地とか理念とかそういうところに魅力を感じているんだろうなあ。と思った。
なんとなく、人を雇うということは僕の手下になるということではないと感じている。
クソみたいな社会の中でも誰かを騙すわけでもなく、僕の考えに共感して、一緒に楽しい未来をつくっていける人が一人でも増えればそれは素晴らしいことだと思っている。
とてつもなく難しいことだけど、チャレンジする価値はあると思う。
そう思うと時間がない!
いえしまコンシェルジュ
http://ieshimacon.com
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