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説得力 ではない 「納得力」。

皆さん、こんにちは。中村です。

「そのプレゼン、説得力あるね〜」。
「君は説得力が足りないから部下が辞めるんだよ」
「この政治家のスピーチには説得力がないね」

このように「説得力」という言葉をよく耳にしませんか?
特に会社などのように上下関係のある組織のリーダーに対して求められる言葉のように感じます。

この「説得力」という言葉。特に「説得」という部分にある種の「強制力」を感じますね。
説得」という言葉の意味は「説き伏せること」。
つまりその目的は 「相手に自分の考えを承認させること」です。そのことそのものに特に何も感じないのですが、承認させるための手段は まあ多くの場合は”かなり強引”です。特に上司が部下に行う「説得行動」は、怖い顔して「これでいいな!」みたいなイメージ(あくまでイメージです)がしてしまうわけです。

そもそも昭和の時代の組織はだいたいこんな感じでした。
先生は生徒に。上司は部下に。コーチは選手に。
従わせるために必要だったのはこの「説得力」です。

ちなみにその「説得力」を辞書で調べると、
会話や文章などで、相手を納得させたり受け入れさせたりする力
とあります。

ちょっと違和感ないですか?
「納得させる?」「受け入れさせる?」
納得って「させる」ものではなく、受け手が「する」もんでしょ。
受け入れって「させる」もの? 違うでしょ。

私にはそう感じてしまいます。昭和バリバリでバブルを知る私でもです。
これは時代錯誤の一端なのかもしれません。
何年か前に 大相撲やレスリング、日大アメフト、ボクシングなどの協会で時代錯誤の問題が生じましたが、70代や80代のリーダーが君臨している団体は「昔ながらの説得文化」から脱皮できないのかもしれないですね。


ちょっと脱線したので話を元に戻します。

ネゴシエーションという言葉があります。
一般的には交渉や折衝のことを言うのですが、私はもう20年くらい前からネゴシエーションする能力のことを「納得力」と言っていました。(あくまで自分言葉として)

誰かと何かを「交渉」するときに必要なものは「お互いの納得」です。
片方が納得してもう片方が納得しない場合に交渉は決裂します。
つまり、交渉がうまくいくということは「納得性」が高い議論ができたということであり、その人は「納得力」があるのだと私は考えるからです。

では「納得」してもらうために何が必要なのでしょうか。
それは交渉の内容にもよりますが、論理(ロジック)も必要でしょうし、人としての接点も必要でしょう。
そして何よりも「言葉にする力」「伝える力」「気付く力」
その3つの力が必要になります。

自分の考えを押し付ける(説得する)のではなくて、お互いが納得する。
そこには Aと主張する自分と Cと主張する人が話し合って「Bという着地点」を見出すというような単純な話ではなく、Aであるべき理由や Aである場合の相手のメリットや Aでありたい情熱や、Cをきちんと肯定し相手の考えをも理解するというような とんでもないスキル が必要なのかもしれません。

だけど考えてみてください。
強引に説得した結果で誰が幸せになるか?  ということを。
強引なやり方で決めることだって簡単にできるけど、そもそもそんな組織がいい仕事をすると思いますか?
私はまったくそうは思えない。

だから私は ネゴシエーションにこだわるし、ネゴシエーションを教えるし、ネゴシエーションの模範演技者でいたいと思うわけです。


もう強引に説得してコトを進める時代は終わりました。(しかもとっくに)
そこにいるみんなが「納得」することに力と時間を注ぐ習慣こそが、今の時代には価値あることなんだと、私は思って日々ビジネスを、そして人生を歩んでいるのです。

#ネゴシエーションを磨こう


それでは今日はこのへんで。
またお会いしましょう。



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