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100日後漫画の優位性と制作体制

どうも、毎月0のつく日までに
メンバーシップ限定記事を1つ書くことを目標にしている、
漫画描きの中村環です。
30日はテキストでの記事の更新です。

当方はツイッターにて先日まで
100日間漫画連載をしておりました。

ちなみに、その漫画は
こちらのツイートからツリーで読めますので
ぜひご覧ください▼

今回の記事は前回までの記事に引き続き、
私が100日後漫画を描いていて気づいた
100日後漫画という連載形式の優位性と、
100日後漫画を描き切った制作体制について
お話していこうと思います。

ちなみに前回までのお話はこちら▼

100日後漫画という連載形式の優位性

きくちゆうき先生の話題作「100日後に死ぬワニ」から始まった
「100日後」漫画。

タイトルは「100日後に●●する××」
漫画の最初には「〇日目」と日付けが入り、
漫画の最後には「●●するまであと△△日」と書かれる形式の漫画で
毎日発表され、100日間日刊で更新されるのが特徴です。

昨今は、この連載形式で作品を発表する人がどっと増えました。
私の周りでも3人ほどこの形式で連載している人を見かけます。

このブームに賛否両論はあると思いますが、
私が感じた「100日後」のメリットは下記です。

①どんな漫画が読めるの?がすぐわかる
②初心者でも簡単にオチ・ヒキが作れる
③毎日投稿することでツイッターのアルゴリズム的に伸びやすくなる

1つずつ書いていきます。

①どんな漫画が読めるの?がすぐわかる

出版社に持ち込みに行った人や
漫画の学校やセミナーで
こんなことを言われたことはないでしょうか。

「冒頭でどんな漫画が読めるのか読者にわからせないと読んでもらえないよ」

これは漫画家志望者あるあるで、
超えるべきいくつかの壁の中の一つであります。

詳しく説明すると終わらないので詳細は省きますが、
漫画を読み始めるとき、
人は、
「この漫画を読むとどんな展開が待っていそうか」
ある程度予測し、その期待感で読み進めます。

逆に数ページ読み進めても
「どんな話が読めるのかわからない」と
読者はストレスを感じて読むのをやめてしまいます。

「これからどんな漫画が読めるのか」…
これを漫画で表現するって、しかも
冒頭数ページで説明するって
かなり大変で高度な技術になるのですが
100日後漫画はそれをやらなくても、
タイトルがすべてを語ってくれる。

「100日後に死ぬワニ」と聞けば、
ああ、100日後にワニが死ぬ話が読めるんだなあと思いますよね。
その点で、読者は読むためのハードルがかなり下がり、
作者は冒頭で躓かず、省エネルギーで作品を描き始めることができるというわけです。

②初心者でも簡単にオチ・ヒキが作れる

これこそ100日後漫画の最強の利点と言えます。

4コマ漫画は基本的に4コマ目でオチがつきます。
また、連載形式なら最終コマでヒキがあります。

この「オチづくり」と「ヒキづくり」こそ
読者を引き付けるものでありますので、
われわれ作家は苦心するわけでありますが、
実は100日後漫画にはオチもヒキも必要ない!というのに衝撃を受けました。

最後に「●●するまであと△△日」と書く。
たったそれだけでオチとヒキが同時に表現されるのです。

ここにオチもヒキもないクソつまんない漫画があります。
(私がたった今一発書きで5分で描きました)

それでは4コマ目の後に例の
「●●するまであと△△日」をつけてみましょう。

オチもヒキもついてしまいました!!
なんということでしょう…!!

母が死ぬという衝撃のラスト(オチ)とのコントラストで、
たわいない家族のだんらんが一気に尊いものになり、
我々の感情に訴えかけてきます。

最後のみかんに意味深さも付随して
「みかん関連で母に何か起こるのか…?」という
期待感(ヒキ)も発生してしまいました。

すごいですよね、このフォーマット。
このフォーマットを考え出したきくち先生、
本当にすごいですよね。

ただなんでもない出来事さえも、
一瞬にして漫画にしてしまう魔法のフォーマットですね。

③毎日投稿することでツイッターのアルゴリズム的に伸びやすくなる

これは私がコルクラボマンガ専科の講義を受けていた時に
講義で習ったのですが、
一般的にツイッター先生は、我々のアカウントやツイートを
常に評価していて、さらにはえこひいきするらしく、
「ツイッターに長居させる行動」をした人を高く評価し、
周りの人に「この人どう?」ってオススメする傾向があるらしいです。

つまり、
ツイートをするにも、画像をツイートした方が評価は高いし、
周りの人にいいねやRTを多くするような、
エンゲージメントの高い人の方が評価は高いということだそうです。

逆にツイッターの外に誘導するのは、
ツイッター先生は良く思わないらしく、
確かに外部URLを貼ったツイートはなかなか伸びにくい印象が
体感としてありますよね。

100日後漫画は基本的に「毎日画像を投稿」することになるので
ツイッター先生がおススメしてくれる可能性も高くなるし、
メディア欄が漫画で埋まるので
「ああ、このアカウントは漫画を描く人のアカウントなんだな」と
一目でわかるようになるため、
読者もフォローしやすくなり、
さらにはフォロワーさんも増え、
より拡散されるようになる、ということだそうです。

以上、私が感じた100日後漫画の優位性でありました。
100日後漫画のフォーマットは、
漫画初心者でもかなり秀逸な連載が続けられ、
またフォロワーさんも増える確率が高いことから
フォロワーさんを増やしたい漫画初心者さんは
挑戦してみるといいかも!と思いました。

100日後漫画を乗り切った制作体制

私が制作に携わらせていただいた
「100日後にクビになるPMインターン」ですが、
「一人で描いたの!?すごい!」と言われることが多くて
あの…さすがに一人では無理で…そんなマッチョな体力無いし…
と説明するのも大変なのでここに書いておきます。

もし今後100日後漫画に挑戦される方は
作業内容や作業時間、分担などの目安にされてください~

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