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依存するシンデレラ達

 先日2㎏の減量が、はからずも糖質制限に該当していて、思わぬ抗炎症効果を体験した私は、そうだお酒もやめようと思ったのです。
とはいえ、そんなに大酒飲みな訳ではなく、夕食の時に焼酎のウーロン割を濃いめに作って一杯飲む程度です。 でもこの一杯が、今日一日のしめくくりになります。 そこをぐっと耐えて、三日間このお酒をやめてみたのですが、どうにもつまらないんです。 夕食を作る気もしないし、無味無臭なんです。 人ってどこかに歪みがないと生きている感じがしないんだなと、つくづく思いました。 だから昨日ジンとソーダを買ってきました。 それだけでウキウキ食事の支度ができるのですから、面白いものです。
この歪みが大きくなったのが、依存だと思います。
依存症はこの心の歪みを、何か別のもので埋めようとする行為だと思います。 ある意味代替品で自分を騙すことだと思うんです。
知能指数の高い動物はたくさんいます。 イルカだったりチンパンジーだったり。 でも自分を騙すという行為は人間だけに与えられたスペックのようです。 故 山本文緒先生の小説で『恋愛中毒』は、毒をくらいながら、恋愛に依存して、転落していく 主人公が描かれていました。
依存はドラマを生むんです。
その山本先生がコロナ渦に余命宣告を受けられて、ご主人と二人三脚の闘病生活を書かれたのが『無人島のふたり』です。 死と病気しかない世界に書くことがあってよかったとおっしゃっていました。 そんな闘病生活の中でも本を読まれていて、金原ひとみさんの『Unsocial Disutance』を読んで「あー面白かった」といわれていたので、私も読んでみました。
全5話の短編です。 1話は顔で選んだ同棲中の、自慢の彼氏が鬱になって、どんどん重篤になっていく中、ストロングゼロにおぼれていく女のお話です。 2話は職場の後輩との交際に、年上ということが、コンプレックスになって、プチ整形を繰り返す女のお話です。 30代女性のdeepな依存のドラマが繰り広げられるのですが、山本先生が闘病中にもかかわらず、この作品を楽しめるバイタリティーに驚きました。 
 私はというと、今の30代はクールで、重い依存などとは無縁だと思っていたので、若者もコロナ渦、持って行き所のない感情にもがいていたのだなと思うと、人間臭さを感じて、おかしな話ですが、安堵しました。
年を重ねると、この自分を騙す力は衰えてきて、騙しきれなくなります。
よって、私は今ほぼ100%私ですが、若い頃はいろんなものに依存してきました。 恋愛に依存し、買い物依存というのもありました。
 結局のところ自分心の隙間は、自分で埋めないと誰も埋めてはくれません。 依存はドラマを生みますが、悲劇であることが多いです。
特に薬物依存症や、アルコール依存症は人生そのものを奪ってしまうので、ドラマなどといって浸っていられません。
でも依存自体に罪悪感を感じる必要はなくて、そこから学ぶものもたくさんあると思っています。 依存している自分に気づいた時点で、半分は解決しているので、そこで、溺れるのか、抗うのかは、自分自身の人生の選択だと思います。
 追伸 
今日、藤井風さんの新曲『Over flowing』がリリースされました。
変わりゆく時代を感じました。 私たちはこの地球に生まれた一人でしかありませんが、悲しくも愛おしい一人です。 

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