【お誘い】
お友達のお弁当の時間が終わって、午後の自由時間が始まるころ。たかちてんていは、デスクで午後のお仕事の「心」の準備をしていると、事務所のドアを「ドンドンドンドン!」と勢いよく叩く音がしました。ガラスを叩く行為に敏感なたかちてんてい。目からビームを発射しようと、そちらを「ギラリ」とにらむとそこにはボールを持った年長組の面々が、逆に目からビームをだして「たかちてんてい!」って叫んでおります。
「おい!ガラスを叩…」「たかちっ!サッカーだサッカーしよう!」なんて忠告をかき消すかのような大きな声でお誘いを受けたのです。出鼻をくじかれたたかちてんていは「オヌシ達のチームも決めてあげたし、もうてんていいなくてもサッカーできるべ?!」なんて軽くかわすと「ダメだダメだ!たかちくんがいないとダメなんだ」と10倍大きな声で更にお誘い。それでも動こうとしないてんていを見て「たかちがいないと面白くないんだ!早くこいっ!」なんつって、タたかちてんていの重い腰を動かせるのでした。
そんな年長組のお誘いに「わーった、ちょっと待っていろ」なんて非常にゆっくりコーヒーをすするとまた更に「コーヒーなんて飲んでる場合じゃねぇ〜んだぞぅ!早くしろよなぁ!!」なんてまたもやビームを発射してせかすのでした。
さて、お庭に出てはみたものの、サッカーに混ざったって、ボールを蹴っているのはお友達ばかり。たかちてんていは「混ざってる」というよりは見ているばかり。そしてたかちてんていは「パスを出す」と言うよりは「口を出す」方が断然に多いのです。
「ほらそこ!走れ!ボールを追いかけろ!」
「キーパー口を動かしてないでさっさとゴールキックをするっ!」
「おぉ!今のクリアーは見事だ!」
「ほらそこでシュートだ!シュートを打たないか!」
「はい、スローイン。君ボールを投げたまえ」
「ぐあぁ!今のシュートは非常に惜しいなぁ!」
「ピピー、1点入りました。ボールちょうだい」
「1対0ね、はいそっちは下がってさがって」
「おい、相手のチームになんて負けるんじゃねーぞ!」
「キーパー座ってるんじゃなーーーい!!」
などなど。
かといって、口ばかり出すのも悪いと思い、本気でボールを追いかけようものなら「なんだよたかちてんてい、本気になるなよなぁ。俺たち子どもなんだからよぉ!手加減しろよ」なんて言うのです。
(人差し指を左右に振って)チッチッチ。オヌシが「子どもだから」という理由でたかちてんていは決して手加減はしないのだぞ。んだって、そんなに簡単に負けちゃったらもぅ誘いにこないでしょ?だから、あなた達とやるときは本気モードなのです。ボールを蹴るのもゲキを飛ばすのも(^_^)、っちゅうかたかちてんていに手加減をしてもらって勝とうなんて思ってちゃダメダメ。っちゅうか勝とうなんて100年早いっつうの。
【2005.1111】
いただきましたサポートは、子ども達の為に使わせていただきます!