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【綿町ダイアリー】#526 ノルウェイの森

連載日記『綿町ダイアリー』✏︎姫路市綿町でブライダルプロデュース「スウィートブライド」と「綿町珈琲」と婚活サロン「姫路の縁むすび」を運営しています。ウェディングプランナー&カフェマスター&婚活プランナーの三刀流の日々を綴ったエッセイです。

僕が19歳の夏、
村上春樹「ノルウェイの森」が刊行された。

それは時代を揺るがすベストセラーになった。

今回、綿町珈琲の店内に
村上春樹コーナーを作ることにした。

それがキッカケとなり
あの時から4度目の再読をしたんだ。

今はデジタル社会にどっぷりだから、
小説のアナログ感にとても懐かしい匂いがした。

しかし、ノルウェイの森の評判をみてると
エロ過ぎて嫌悪感を持つという意見が意外に多い。

そういうのをみると時代だなぁと感じる。

僕らの時代のエロは娯楽だった。

中学時代、橋の下に汚いエロ本が落ちていて
それを見つけたやつがヒーローだった。

僕らはみんなで一緒にそれを観た。

高校になると、
何度ダビングしたかわからない歪みだらけの
エロ映画のVHSを誰かが入手してきた。

愛染恭子ものが多かった。

僕らは誰かの家に集まり、
一緒にそれを観て一緒にマスターベーションした。

大学になると
レイトショーはポルノ映画と決まっていた。

夜にツレの家に居て暇になると、
ぶらぶらとレイトショーに出かけたものだ。

ポルノ映画館には怪しい匂いが立ち込めていて
隣席に座りあそこを触ってくるオヤジもいた。

それは話のネタには最高で、
肝試し的な娯楽の要素でもあった。

今の時代のHなものは根暗な感じがする。
独りで家でこそっとスマホで・・という感じ。

でも僕の青春時代のHなものは
皆でワイワイと一緒に観る娯楽だった。

だから、村上春樹の性的描写は
あの時代の若者の日常とも言える訳だ。

そこに蓋をしようとするのは
単純に世代の違いなんだろうな。

まぁ、そんなことよりも
久しぶりに読むノルウェイの森は良かった。

今まで読み過ごしていた第1章のくだりに
思いのほか刺激があったり。

主人公がドイツに向かう飛行機。
これは永沢先輩の葬式なのではないか。
なーんて考察をしながら読むと楽しかった。

村上春樹さんの小説は答えが無いから
いつも読者の自由な想像に溢れている。

そこがイイ。

19歳で読んでから30代と40代で再読。
で、今回50代で再読した訳だから
10年に一度のサイクルになる。

ではまた10年後に。

次はどんなシチュエーションで
この本を読書してるのだろうか。

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