加工-ピンクの体内時計

体内時計の研究が受賞~「ノーベル医学・生理学賞にアメリカの研究者 」【読み出し無料】(NHKニュースWEB)ほか~

1.はじめに

今年のノーベル賞の医学・生理学賞が。10月2日の日本時間午後6時台に発表されました。当日、ネットニュースを検索しながら、ワクワクとPCの前にいた私が知ったのは、概日リズム、つまり「体内時計」に関するアメリカの研究者3名が受賞したということでした。詳細は、下のNHKのオンラインニュースにあります↓

●「ノーベル医学・生理学賞にアメリカの研究者」(NHKニュースWEB、
10月2日 18時43分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171002/k10011165551000.html
)

体内時計に関する研究といえば、私たち人間の毎日の起床、朝食をとって、といった一日が始まる生活を規則的に送る上で、大切な生理的機能と言えるでしょう。その体内時計に関して、今回、賞を受けた研究によって、どのようなことが解明されたのか。本記事で、先のNHKのオンラインニュースを紹介しながら、見ていきましょう。

なお、NHKのオンラインニュースは、速報性が高い代わりに、Web上から消えるのも早いため、リンク切れになったとしても、ご容赦下さいませ。



2.「ノーベル医学・生理学賞にアメリカの研究者」(NHKニュースWEB)で知る、生物が体内時計をつくり出す仕組み


 2-1.研究はショウジョウバエから始まった

受賞の経緯と3人の研究の始まりについて、さっそく、ニュースで確認していきましょう。

”ノーベル医学・生理学賞にアメリカの研究者
10月2日 18時43分

ことしのノーベル医学・生理学賞に、生物がどのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているかという「体内時計」のメカニズムを明らかにしたアメリカの3人の研究者が選ばれました。

スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の午後6時半ごろ記者会見し、ことしのノーベル医学・生理学賞に、いずれもアメリカの、メーン大学のジェフリー・ホール博士、ブランダイス大学のマイケル・ロスバッシュ教授、それにロックフェラー大学のマイケル・ヤング教授の3人を選んだと発表しました。

3人は、1980年代に、植物や動物、それにヒトなどの生物が、どのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているのか、その仕組みを調べようと、ショウジョウバエを使った実験を行って、体内のリズムを制御している遺伝子を発見しました。 
(「ノーベル医学・生理学賞にアメリカの研究者」(NHKニュースWEB))”

研究の概要は、「生物がどのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているかという「体内時計」のメカニズムを明らかにした」ことです。アメリカの3人の研究者である、
 ・メーン大学のジェフリー・ホール博士
 ・ブランダイス大学のマイケル・ロスバッシュ教授
 ・ロックフェラー大学のマイケル・ヤング教授
が受賞者に選ばれました。


 2-2.「時計遺伝子」とたんぱく質による「体内時計」の仕組み

この3人は、1980年代に「植物や動物、それにヒトなどの生物が、どのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているのか」という仕組みに関する研究に着手。少なくとも、30年ほど前から、取り組んでいたことが分かります。3人が「ショウジョウバエを使った実験を行って」得て見つけたのは、からだを規則正しいリズムで動けるように制御する遺伝子でした。その遺伝子とは、どんなものだったのでしょうか。

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