自分のフツーは、フツーじゃない

 NPO法人Grow Up で行なっている「ミドル教員のマネージメント(仮)」の活動の一つである「Twitterのspace機能を用いたミドル教員との対談」で話題に出た内容について解説します。

 今回の記事は、10月22日に行った4回目となる対談の感想です。今回は、ミドル教員ではなく、20代の若手先生をゲストにお迎えして対談しました。ミドル教員だけでなく、もっと幅広い先生方の話を聴いてみたい、と考えていたので、「対談したいです」と手をあげていただき嬉しかったです。

 年齢による仕事の違いや経験の違いはありますが、共通点が多くあり、とても学び深い対談となりました。

1.根回しは悪いイメージ

 今回も根回しについて質問したのですが「悪いイメージがある」との事でした。これについては驚いて、年齢による違いではないんだな、と気付きました。「裏で話を通す、悪どいズルいイメージ。でも相談や場作りは大切」と話されて、やっぱり言葉のイメージなんだなと思いましたから、根回しに変わる言葉が必要ですね。

 他にも、ゲストの方は、Twitterのフォロワーも5000人近くいるだけでなく、出版に向けて執筆活動をされていたり、とてもアクティブな方ですが「自分はフツーです」と言うので、ツッコまさせていただきました。

 人は、自分自身を直接目で見る事ができませんし、自分が他の人達からどう見られているのかわかりませんから、自分はフツーと思うのが当たり前です。でも、フツーじゃない人が自分をフツーにして他の人を見ると、無自覚に傷付けてしまう事があります。もちろんゲストの方がそうだと言うわけでは無いですが、学校の先生の多くは自己肯定感が低いのもあり、自分の能力ではなく漠然と自分はフツーである、そう思っている人が多いなと思いました。

2.初任の頃の出会い

 前回の対談でもそうだったのが、初任の頃に指導してくれた方の存在が大きいようです。

 今回のゲストの方も、初任者の頃に一緒に組んだ先生から、色々と見守ってくれたり提案してくれたり、何があっても大丈夫!と感じていたようです。

 私の知る限りですが、初任の頃にそのような先生がいないと、先生としての自己肯定感が育まれず、仕事がうまく回せなかったり、メンタルを病みやすいように感じています。

 それらを踏まえると、初任の頃に安全基地と呼べる先生が側にいるのは人材育成の観点からも大切、と言えます。

 残念ながら、実際の学校現場には、そうでない人も多いのが実情です。それは、ゲストの方々のように、安全基地と呼べる先生が側にいなかった先生の方が圧倒的に多いからです。人はしてもらった事をモデリングして学びます。それは知識として学ぶよりも、学習効果が高いです。なので、自分がしてもっていない先生は、それらを知識として知っていても、実際に若手に指導する事ができないものです。

 そのような先生方に対して、どのようなサポートを行えば、初任者や後輩に対して安全基地となり得るのか?を探究していきます。

 私個人としての活動ではありますが、安全基地がいなかった教員のクライアントさんに対して個別セッションを継続して行う事で、後輩に対して安全基地としての指導を行えるようになった先生はいます。ですが、それだけでは時間がいくらあっても足りません。もっと情報を集めながら仲間を募りながら、体系立てていく必要があります。

3.職場で活用するために

・自分のフツーはフツーでない事を意識する
・言葉の意味は人それぞれ異なる事を意識しる
・安全基地となる先生、モデルとなる先生を探す

・・・文字にするのは簡単ですが、中々の難問です。
一番問題なのは、先生方の個人の経験を体系立てて一般化し、その知識を各自が活用するためは実践を繰り返し、その実践をサポートするのはOJTしかない、という事です。

 この活動の方針

①より多くの先生方と対談していく。
②特定の先生方とは継続して対談していく。

 ②の頻度を高めながら、OJTに限りなく近いサポート体制を模索していく必要がありますね。一度対談してから2週間以上は空けよう思いましたが、もっと頻度を高めるアプローチも試していかなければですね。

 とはいえ、今回の若手先生との対談も有意義でしたので、①の活動も広げながら、同時進行多面展開で活動していきます!


 
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