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プロサッカー選手におけるYo-Yo IRテスト(国際レベルの選手のほうが国内レベルの選手よりも試合中の高強度ランニングが多いことが明らかされている)

Yo-Yo Intermittent Recoveryテスト

サッカー選手の間欠的運動能力を評価する上では、休息を挟みながら高強度運動を繰り返すタイプの、サッカーに特有なテストが必要になります。

これまでに、このような目的で様々なテストが開発され利用されており、日本ではブルガリアンシャトルラン、VMAなどがあります。

しかし、近年ではBangsboによって開発されたYo-Yoテスト、その中でもYo-Yo Intermittent Recovery(Yo-Yo IR)テストが世界的に広く利用されるようになってきています。

このテストは、CDからのシグナル音に遅れないように、20m区間の往復ランニングを、ジョギングによる10秒間の休息を挟みながら繰り返し行なうテストであり、ランニング速度が漸進する形式となっています。

Yo-Yo IRテストと試合中のパフォーマンス

Yo-Yo IRテストが世界的に利用される理由には、その結果が育成年代のサッカー選手からプロサッカー選手まで、サッカーの試合で重要な高強度ランニングの量を反映することが確認されているからであり、具体的には、Yo-Yo IRテストの結果は、試合中に高強度ランニングを反映します(すなわち、試合中に最も展開が早く、激しい時間帯の高強度ランニングの量や、得失点が多く発生する試合終盤15分間の高強度ランニングを反映する)。

これらは、Yo-Yo-IRテストがサッカーで必要な間欠的運動能力を把握するテストとして妥当性が高いことを示しています。

プロサッカー選手におけるYO-YO IRテストの結果

プロサッカー選手におけるYo-Yo IRテストの結果は、プロサッカー選手の競技レベルの違いを反映させることが報告されています。

国際レベルの選手のほうが国内レベルの選手よりも試合中の高強度ランニングが多いことが明らかされていますが、同じようにYo-Yo IR2テストの結果も、国際レベルの選手のほうが優れています。

YO-YO IR2テストの結果と競技レベル

また、国内リーグに所属する選手に限った場合も、1部リーグの選手が2部リーグの選手よりも優れた結果を示しています。

さらに、デンマークのプロサッカーリーグ1部に所属するチームをリーグ戦の最終順位によって上位、中位、下位の3つのグループに分類すると、Yo-Yo IR2テストの結果は、順位が高いグループ程優れていることも報告されています。

このように、Yo-Yo IR2テストの結果は、個人のみならずチームの競技レベルも反映します。

また、プロサッカー選手を対象とした場合、Yo-Yo IR2テストの結果がシーズン変化やポジションの違いを反映することも確認されています。

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