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運動中・運動後の糖質を含む栄養補給の重要性(50~65%VO2peak以上強度が高まると筋グリコーゲンに対する依存が高まる)

糖質の代謝

運動中に"骨格筋による糖質の利用が増加する"ことは、かなり以前から知られています。

しかし、血中および筋細胞中に見られる遊離グルコースは比較的低濃度であるため、運動中の増加したグルコース要求を満たすためには、グリコーゲン分解(glycogenolysis)により、また糖輸送担体(GluT4)がインスリンに依存せずに筋の細胞膜に移動すること(トランスロケーション)により、グルコースの取り込みを増加させる必要があります。

糖質の種類

現時点では、フルクトースはグルコースに比べグリセミック応答とインスリン応答が低いにもかかわらず、フルクトースに対する耐性のあるアスリートであれば、いずれを使用してもパフォーマンスに利益をもたらすと考えられています。

トレーニング前に摂取する食物のGI値は、明らかに代謝反応に影響を及ぼします。※しかし運動パフォーマンスに対する影響は明確ではありません。

アミロペクチンを運動前に摂取すると、グルコースに比べ低いインスリン応答をもたらしますが、長時間の持久力運動中の糖質の酸化速度とパフォーマンスは同程度になり、またアミロペクチンは運動後に摂取すると、運動後のグルコースやマルトデキストリンに比べ、速い筋グリコーゲンの回復を促進します。

市販の加工高分子量糖質は、運動後のインスリン濃度とグリコーゲン再合成速度を高めるため、次のパフォーマンスまでの短時間の回復に役立ちます。

運動前、運動中、運動後の効果的な糖質を選択する場合、アミロースと難消化性でんぷんは推奨されません。

異化と同化

激しいエクササイズを行った後、身体は主に”異化状態”にあり、それは、コルチゾールなどのストレスホルモンの濃度が上昇し、筋グリコーゲンなどの主要燃料の貯蔵量が低下、時には枯渇します。

回復と有益な適応を至適速度で生じさせるためには、この異化状態を”同化状態”へと変化させなければなりません。

このような変化を引き起こすためには、運動後の適切な栄養摂取を、適切なタイミングで行うことが非常に重要になります。

※同化過程は、器官や組織を「組み立てる」方向に働く。

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