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サッカーのパフォーマンスは生理学的変数が強い相関関係を示す(選手の有酸素性能力(VO2max、乳酸-無酸素性作業閾値、ランニングエコノミー)が、サッカーのパフォーマンス、例えば、ゲーム中に走る距離やボールの保持時間、ゲーム中のスプリントの数などの統計的数値と正の関係にある)

身体能力テストとゲームパフォーマンス

ストレングス&コンディショニングプログラムを開始する前に、あるいは試合前、すなわちオフシーズンかプレシーズン中に(基準値を測定するため)身体能力テストを実施することはきわめて重要になります。

アスリートの進歩を評価して、必要に応じてプログラムを変更するためには、シーズン中に複数回のテストを実施することが望ましく、試合期に実施するには、疲労がテストにもゲームパフォーマンスにも影響を及ぼさないように、試合前後2日以内はテストを実施するべきではありません。

なぜテストを行なうのか?

身体能力テストを実施する目的はデータの取得にありますが、これは様々な点に役立ちます。

例えば、身体能力テストを行なうことによって、アスリートの身体能力、健康、長所短所の詳細、さらに適切な評価を知ることができます。

また、トレーニングやその他ゲームパフォーマンスの向上を期待して実施される対処の効果を評価することもできます。

サッカーのパフォーマンスと生理学的変数が強い相関関係を示すことを明らかにした研究報告は数多くあります。

Castagnaらによると、記述的、横断的、およびトレーニング研究によって、選手の有酸素性能力(VO2max、乳酸-無酸素性作業閾値、ランニングエコノミー)が、サッカーのパフォーマンス、例えば、ゲーム中に走る距離やボールの保持時間、ゲーム中のスプリントの数などの統計的数値と正の関係にあることが繰り返し証明されています。

また、リーグ内での最終ランキングなどのチームとしての成功や、チームが所属している団体におけるレベル(身体能力が高い選手は高いディビジョンでプレーしている)、さらには選手が控えか先発かとも同様に正の相関関係があります。

したがって、Castagnaらが主張するように、定期的に有酸素性能力を評価することは、身体トレーニングプログラムの効果をモニタリングし、選手たちに試合出場の準備ができているかどうかを確認するために重要になります。

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