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新居を決めるときの違和感

私の恋愛フィルターと、夫からの洗脳が解けたら見えてきたあれこれを、noteに書き綴っていくことにしました。

プロポーズされて一番幸せハッピッピな時。
次に考えるのは新居のこと。
当時、夫と私は東京にある会社に勤務していた。
同じ部署なので私は寿退社するとして、もちろん夫はそのまま働くわけで。
私の実家も東京。当然、新居は東京になるものと思っていた。

「海と山に近いところがいい」

夫は神奈川県に住みたいと言い、この沿線がいい、と具体的な駅をいくつか言ってきた。

「今住んでいるところより、会社から遠くなるじゃん。通勤時間長くなるよ?通いやすいところがいいんじゃない?」

「でも、海と山が近くにないと落ち着かない。週末に海にすぐ行けるところがいい」

「週末遊びに行く場所より、毎日出勤する会社に近い方がよくない?」

「会社に働きに行くために住む場所を決めたくない。好きなものが近い場所のほうがいい」

何言ってるんだこの人?と少し思った。
そして、この時夫が住んでた場所は東京だけどね!
当時はこの矛盾に気づけなかった。
恋愛フィルターがその違和感を通さなかったのだ。

実家からも遠くなるしけっこう反対したけど、週末になるたび、気に入っている駅の周辺を歩いてみようと夫に誘われ、しばらくデートは新居予定の土地の下見となった。
今思えばしつこいほどのプレゼンを受けていた。この頃の私はめちゃめちゃ分厚い恋愛フィルターがかかっていたので、夫と歩く見知らぬ街にわくわくしてしまったのも確かで。

何度も何度もそういうデートを繰り返すうちに、夫が好きな場所に住むのがいいのかも、と思ってしまった。

「坂道がある街が好きなんだ」

追加でこんなことも言っていた。
夫の実家がまさに山に囲まれた場所で、小さい頃は毎日のように山に登って遊んでいたようだ。
私は坂道なんてない土地で生まれ育ったので、えー坂道ーしんどいーと言いながらも、その街の雰囲気がとても気に入ってしまい、抵抗はしたけれど結局は神奈川県の、あっち行ってもこっち行っても坂って場所が新居として決定した。

はい。

ここから答え合わせです。

「週末に海に行きたい」と言っていた夫、たまぁ~にしか海に行かない。なんなら週末は家でのんびりしてる。

車が運転できない私は、自転車が足。
どこへ行くにも坂道があり、買い物だけでも大変。
妊娠してお腹が大きくなってからの買い物が地獄。
子どもを幼稚園に送り迎えするときも、この坂道ばかりの街にしんどい思いをたくさんした。

なにより、実家から遠くなってしまったことは、後からじわじわと効いてきた。
ちなみに姉は、実家からスープの冷めない距離に新居を構えた。賢い。
姉の子どもが小さいうちは母の助けをしょっちゅう借りていたし、母も孫とたくさん会えて幸せだっただろう。
実家から電車で往復3時間の距離。隣の県だし、まあ遠くはないでしょうと思っていたけれど、やはりこの距離は遠かった。
(さらに付け加えると、母の介護がはじまるとき、実家に何度も行くことになるけど、その時もこの距離は辛かった)

母だけではない。
仲の良かった友達との距離も離れてしまった。

よくつるんで遊んでいた高校の友達はたまに遊びにきてくれたけど、それも初めの数回だけで、だんだんと疎遠になってしまった。
今のようなSNSもまだない時代。携帯のメールはあったけれど、SNSより繋がりは浅い。

知らない街で、誰も知り合いがいない場所で、私は孤独に子育てをすることになった。
初めての育児はわからないことだらけでめちゃくちゃ不安だった。

夫は純粋に、自分が住みたい街を選んだのかもしれないけれど、つい最近、モラハラ気質がある人は、相手を支配するために、配偶者の交友関係を制限したり、その人の居場所を奪うと知り、まさか……と思っている。
何にしても、私の意見は何も通っていないことに今更ながら気づいた。

当時の私は脳内お花畑、夫が好き好き!大好き!
夫と一緒にいれればそれでいい!

世間知らずの、二十歳そこそこのまだ経験値が浅すぎる私を、一回り以上年上の夫が手のひらで転がすなんてことは容易たやすかっただろう。
今の私だったら「実家から近い場所」という部分だけは絶対に譲らないと思う。

……というわけで、これから結婚を考え、子どもが欲しいと考えている皆様におかれましては、実家と仲が良い場合、(嫁の)実家に近い場所に住むことをお勧めします。夫の実家と仲が良い場合は夫の実家に近いのもありだと思うけど。
子育てを助けてくれる人が近くにいるって大事だよ。
夫が家事も育児もしない系の人は特に。(身にしみている)

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