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#1【体験談】Amazonを辞めて起業した話

中嶋竜之介と申します。3年半の間、Amazonに勤務してきましたが、退職をして起業しました。この記事では、Amazonになぜ入ったか、どういう働き方をしてきたのか、なぜ辞めてまで起業したのか、そこらへんの思いとつづりたいと思います。

こんな人におすすめ

・外資系の働き方を知りたい

・Amazonの仕事ってどんな感じ?

・サラリーマンを辞めた人の体験談

Amazonに入社するまでの経歴

元々は総合商社に入ってモテモテになるぜ!と超絶浅はかな軸で就活をしておりましたが早稲田下位学部×非体育会(サークルもなし)×リーマンショックの2年後の氷河期世代ということもあり大手はことごとく落ち、ミスミという機械部品の専門商社に入社しました。当時は深く考えず、海外にいけそう!×成長できぞう!という理由で入社しました。
一方で当時の早稲田は「みんなが知ってる有名企業に入ったら勝ち。それ以外は負け」という雰囲気が蔓延しており、周囲から見た私は負け組扱いでした。それに対して「大手いくのだせーわ」と周囲を否定することで自分の肯定するしょうもない大学4年生だったと思います。当時は「周囲が良いと思うものが自分にとっても良いものだ」というミーハー心というか、自分の軸がなかったからだと思います。だからこそ、仕事で成果を出すことに燃えていました🔥 確かに就活で大手に行くというゲームでは負けた。しかし、ビジネスパーソンとしての戦闘能力を上げることについてはミスミは最高の環境だと信じておりました。

入社後はベルトコンベヤという商材の商品企画や海外現地調達の仕事に従事。入社2年目から1人で韓国に行って工場を探してきたり等今思えば非常に寛大はというか器量の大きな会社だったなと思います。当時そんな言葉はなかったのですが、今でいう、「事業開発」「Product Management」に従事しておりました。機会があれば伸ばすし、ロスがあったつぶすという仕事ですね。5年目には海外駐在の機会も頂き1年間中国に駐在。事業部長や執行役員クラスの方々と密に仕事をさせて頂いたり、現地スタッフのマネジメントの経験をさせて頂いたのは大変貴重な経験でした。機会を与えてくださったミスミには大変感謝をしております。

5年間従事した後、リクルートキャリアに中途入社。製造業の中途採用支援に2年弱従事。その後は、リクルートホールディングスのCVCに異動となり、インドに毎月行ってベンチャー企業に投資をするという一風変わった業務に1年間従事しました。

Amazonに入ってどうだったのかみたいな話

元々新卒で入った会社が機械部品のEC事業だったので当時の先輩の多くがアマゾンで勤務していました。なので随時噂は聞いており、良い会社だなという印象はありました。

当時私は、リクルートのCVCにてインドのベンチャー企業に投資をするという一風変わった仕事をしており充実はしていたものの、①給料を上げたい ②子供が小さく海外出張の頻度を減らしたい、だけどグローバルな仕事がしたい という超絶わがままな求職者な状況でした。一方でイチ営業からVCへのチャレンジということでなかなか成果が出せていないモヤモヤもありました。

そんな中、アマゾンの求人と出会う機会があり、(たしかインド出張中のバンガロールのホテルで)米国本国とのやりとりも多いプロダクトマネージャーの案件があり年収UPも期待もあるポジションがありました。そこで面接に進み、半分英語のかなりタフな場だったのですが、落ちてしまったんですね。そもそもポジションがJob Level 6(世間一般でいう課長クラス)で、バーも高く経験値がミートしてないというお見送り理由でした。

ただ、100%アウト!という訳ではなく、該当のポジションの経験値にはミートしないけど、他のポジションはどう?というご提案を頂き、グローバルなプロダクトマネージャーから、消費財のブランドスペシャリスト(大手専任ECコンサルタント)のポジションの選考に進むことになりました。そこでご縁があり、入社をしました。

アマゾンには結局3年半在籍し、一言で言うと「とても素敵な会社だったなあ」という感じです。なにより快適だったのはいわゆるクセの強い、変な人が極めて少ないんですよね。アマゾンにはOLPという行動指針があるのでそこに沿った行動をしている人がほとんどです。もちろん、仕事の大変さ、難易度の高さ、ハードが要素はあるものの、人格が備わっている人が多数いらっしゃるため人間関係上のストレスがないことは一番良かったポイントです。また、基本的には人海戦術<仕組の会社なので、いかに人の手を加えない仕組みを構築するのか?という考え方が徹底しており、「生産性」「仕組み」「平準化」「標準化」など合理性を追求する社風に、私も非合理なことが好きではなく、マッチしてたな、という感じです。もちろん、ウェットな人間関係もなくはないのですが、リクルートと比べるとドライで、合理的な社風だなって感じです。(飲み会などはあまり開催されずといった感じ)

また、18年~22年の間に在籍しており、その間会社はコロナの追い風もあり驚異的な成長を見せていました。

私自身、11年間のサラリーマン生活の中で誇れることは2つあり、①業界1位の会社にいた ②どの会社も在籍中に成長し続けた という点です。アマゾンは特に非連続な成長を見せていました。関わる取引先もアマゾンに対しての価値、可能性を感じており、投資も受けやすく交渉における苦労はそこまで多くない状況でした。

一方で、ハードかゆるいかと言えばハードです。ハードの種類が少し特殊で社内の複雑な仕組みをいかに理解して使いこなせるか?みたいな要素が強い。また複雑な事象を以下にシンプルに的確に説明できるかのレポートスキルが重要。特に入社当初は社内独自の用語や独特のシステムに慣れるまで夜遅くまで残業していた日々が続きました。また一人一人がリーダーという自立した考え方のため当時は誰も懇切丁寧にお世話をしてくれる人がいなく、自力で色々と調査して、人間関係構築して、っていう感じで生き残った感があります。待ってても誰も教えてくれません。(もちろん、聞けばみなさん快く色々教えてくれます)やはりそこは1人1人がリーダーであり、自走できる人が活躍しています。

どの組織にも一定数いると思いますが、残念ながら社風が合わず早期離職の人もいました。そういった方々の特長は、やはり受け身の姿勢が強くそれを変えられない方であったりあまりにも常識の物差しが他のアマゾン社員と乖離をしていたりする方々でした。

これは私の考えですが、「仕事なんだから、ちゃんとやろう」という意識があればやっていけると思います。Ownership、責任感を持って、分からないことや新しいことにも目を背けず理解する努力をして周囲と協働できる人であれば活躍できるかと思います。(これはアマゾンや外資、内資問わずどんな会社でも)

あとは日系伝統企業に多数いると言われる「仕事しないおじさん」は私の知る限りいなかったですね。みんな自分の仕事にしっかり取り組んでいる人でした。そういった道を目指したい人には不向きの会社ですね。

纏めますと、①給料UP ②人格者多数 ③ビジネスは成長 しており転職してとてもよかったなという感じです。

じゃあ、なんで辞めたの?

超個人的にな理由で、以下の2点です。①サラリーマンの一連のプロセスに飽きた ②キャリアの閉塞感 という感じです。

まず、私は11年間3社でサラリーマンを経験して、大体のことを経験したなあという所感がありました。機械部品の商品開発、海外工場の立ち上げからキャリアが始まり、海外駐在、人材営業、ベンチャーキャピタル、消費財バイヤー、プレイングマネージャー、10人以上のマネジメント経験は結局経験出来ませんでしたが、to C、to Bで様々な経験をしました。

その過程の中で常に「経営者目線で仕事する」ことを心掛けていました。常に課長はどう思うか?部長はどう思うか?ということを内省し、発言やアクションにしてきたのですが、ふと気づいたのです。「あれ?俺、経営者やったことなくね?」ということに。またサラリーマンを11年もやっていると「いつか見た景色」に数多く出くわすことも多いです。「いやいや!新規事業プロジェクトとかあるでしょ!」とお思いの方もいると思いますが、新規事業プロジェクト的なもののいっぱい経験したしな。。みたいな。要はサラリーマンに飽きたんです。もちろん管理職目指す事も選択肢としてはありましたが、まぁあんまり向いてもないかなぁとも思ってましたね、

気付いたと同時に「独立できるのでは?」と思いました。11年間の中で一番輝いていたのはリクルートキャリアの時の人材法人営業だったからです。もちろん、私よりも高い実績を出されている方も多くいらっしゃいますが、一度四半期の準MVPを頂いたり、部門の四半期MVPを頂いだりと1年のうちに5回表彰をしてもらってたんですよね。

表彰

猛者ぞろいのアマゾンに転職して3年間半頑張りましたが、正直トップレベルの社員だったかというとそうじゃなかったのかなと思います。追加株(成果に応じたボーナス)が一定頂けたので、平均値以上だったのかなと??は思うもののやっぱり自分より優秀な人が多いと感じました。Amazon的な優秀さ(分析やレポーティング、仕組みづくり)は自分の得意領域ではなさそうだなと。そして最後の理由となりますが、キャリアの閉そく感に関してです。アマゾンに限らず外資のシェアトップの会社(特にGAFAと言われる会社群)は給料が高いです。厳密にいうと、管理職じゃない人でも給料が高いです。なので更に年収アップする転職先がない方も多い、というのが実態ですね。ベンチャー企業のCXOポジションに転職するという人もちょくちょくいますがあまり多くはない印象。まあまあハードな会社ではあるので、子育て世代で妻もバリキャリの私にとっては3年半やってもう十分かな、っていう感じでした。

そしてリクルートから離れてみて、改めて転職エージェントの仕事が胸を張って大好きだなと言えるくらい没頭できたことも大きいです。仕事=大好きなことなので、野球大好きな人がプロ野球選手になって毎日楽しいみたいなことと似てるのかもしれません。

妻からもエージェントの仕事してる時がイキイキしてると言われるし、実際すごく楽しいです。僕は関わる人の経歴(なんなら芸能人まで)や出身地がだいたい頭の中に入ってまして、暇さえあればWikipediaで誰かの経歴を検索してたりするので、人の過去、現在、未来を知ることにものすごく知る喜びがあるんですよね。

求職様にイキイキと仕事できる仕事先を紹介させていただき喜んで頂く、、また企業様には優秀な方を採用頂き喜んでいただく、、こんなに楽しい仕事は他にないと思っています。

サラリーマン辞めてどうなの?

何よりもお客様、求職者様に介在価値がある行動を徹底します。当たり前ですが、上司もいない、会社の代表なので身が引き締まる思いです。企業様、求職者様に今まで以上に誠実にスピーディーに向きたいたいと思っています。また恐怖がないかと言えばそれは嘘ですかね。まだ幼い子供たちを養う義務はあるので、マジでちゃんとやらなきゃなっていう感じです。

一方で、楽しみなこともたくさんあります。税金のことや会社の構造なんてサラリーマンやってたら知りえないことを分かりますし、日々新しい発見が多く刺激があります。自分の仕事は自分で作っているので何も違和感がないというか全てが自己責任ですがそれはそれでエキサイティングですね。

株式会社ソマリ、真面目に、一生懸命、がんばります。ぶちかまします!




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