雑学note【第20回】 牛の4つの胃袋

牛には4つの胃袋があるというのは有名な話。

しかし、その4つがなんなのかと訪ねられたら、誰もが目を伏せ、口を閉ざす。せめて、自分ひとりだけでも、答えられるようになっておこう。

ということで調べてみた。

とりあえず、1~4番目の胃が、どのように呼ばれているか、ざっと並べてみよう。

第1胃 ミノ

・簑(みの)傘に似ていることから
・ルーメン(発酵室)と呼ばれる
・一番大きい。胃全体の80%の大きさ

第2胃 ハチノス

・見た目が蜂の巣に似ているから

第3胃 センマイ

・布きれを千枚重ねたように見えるから

第4胃 ギアラ

名前の由来は、米軍基地で働いていた人が「ギャラ」としてもらっていたから、とか「偽腹」が訛ったという説がある


これらの呼び方は精肉業界とか焼き肉屋さんでの呼び方で、学術的な呼び名ではないようだ。でも、我々一般人の日常では、焼き肉屋さんでの呼び方を覚えておけば事足りる。

ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ。順番を覚えるために「ミノハチセンギ」とでも覚えておこう。

と言っても、そんなその場しのぎの覚え方では、どうせ、その「ミノハチセンギ」を忘れてしまうに決まっている。

どうにか忘れずに覚えておけないものか……。

「ミノハチセンギ」。

この言葉を「みのもんたが8千円のギャラをもらう」と意味づけてみたらどうだろう? 

いや。ダメだ。みのもんたのギャラがそんな安いわけない。現実的ではないから覚えにくい。それに、順番を入れ替えても意味が通るから、「ミノギャラハッセン」だっけ? みたいなことになってしまいかねない。

では「簑を八千枚(重ねて)着る」という意味だということにしたらどうだろう?

八千枚の簑ということは、わらとかじゃ無理だ。化学繊維とかで作って、一枚あたりがオブラートのような薄さになるだろうが、現代の技術をもってすれば可能だと思う。TEIJINとかがなんとかしてくれるだろう。みのもんたが8千円のギャラで仕事をするより遙かに現実的だ。

「簑八千着」→「ミノハチセンギ」→「ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ」という流れで思い出せるだろう。

とりあえず、これで、焼き肉屋でどれが何番目の胃か聞かれても答えられるようになったはずだ。

これで一件落着。

あとは調べて他にわかったことを、ちょっと補足しておこう。

牛以外にも、ヤギや羊やキリンなども、4つの胃を持っているらしい。牛だけがよく取り上げられるのは、やはり食べる機会が多いからだろう。

第1~3胃は厳密には胃ではなく、食道が変形したものなのだそうだ。ということは、第4胃のギアラだけが、我々の持つ胃と同じということだ。イチゴの食べる赤い部分は果実ではなく、茎が変形したものだというが、それに似ていると思った。

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