見出し画像

CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)のススメ【M&A日記】

CVC=コーポレート・ベンチャー・キャピタル。
事業会社が組成したベンチャー・キャピタルのこと。

・NTTドコモ・ベンチャーズ
・リクルートストラテジックパートナーズ
・コロプラネクスト
CVCの一例、テック分野や大企業に多い。

企業の買収、企業への投資には以下2つの目的がある。
・財務的リターン
・戦略的リターン

財務的リターンは分かりやすく、金銭的な見返りのこと。
10億円投資したなら、それが例えば20億円になることを期待する。

一方で戦略的リターンは、その買収によって自社の成長戦略が補完されたり、代替されたり、あるいは新事業分野への進出が適うというもの。
財務的リターンと比較するならば、中長期的にはグループ全体としての時価総額を増やすことを目的とする、というような捉え方。

ファンドは財務的リターンのみを目的とするが、CVCは戦略的リターンを目的としつつ、それが成功しているときには上場やグループ時価総額の増加ということで結果的に財務的リターンも得ることになる。

じゃあCVCとM&Aは何が違うのか。
形上の違いとしては、CVCは子会社としてベンチャー・キャピタルを組成するのに対して、M&Aは、事業会社が自ら投資する。

これは形としての違いだが、そもそもの目的のところで言うと、CVCは基本的にスタートアップへの投資を主とする。
一方で私がお手伝いするM&Aは、ほぼほぼ全てが、既に事業として成立しているものの買収。
会計上の「のれん」をつけて譲渡するというのがその証で、のれんが付くということは利益が出ているということなので、成長期、もしくは成熟期に差し掛かった企業の譲渡だ。

一方でCVCは、まだ赤字であったとしても、その技術やビジネスモデルの将来性に期待して投資する。
新規事業分野への進出目的が色濃くなる。

私が勧めたいのは、形としてのCVCではなく、目的としてのCVCの方。
ファンドを組成するかどうかではなく、もちろんそこにも意味合いはあるが、それよりも新規事業分野であったり、新技術・新商品の獲得を目的とした買収・投資のススメ。

自社で新規事業開発を検討されるなら、スタートアップへの投資を比較検討されてはいかがだろうか。
自社開発の新規事業は社内リソースの上で発想されるが、社外で考えられれば、自社リソースに限定されない。
より将来性・成長性の高いものを場合によっては選択できるかもしれない。

これは大企業やテック企業だけの選択肢ではなく、投資金額の大小はあるにせよ、投資資金を持つ企業であればすべからく選択肢になる。

もしM&A会社とのお付き合いがあれば、そのあたり一度ご相談されてみては如何だろうか。
企業の成長支援を目的として、その手段としてM&A仲介を選択している当社としては、そういう企業の成長支援は是非ともやっていきたいところ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?