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詩【境界線】 #白い春



あなたには 繋がっていてほしいのに

そうなれない自分が 嫌いなの


あなただけなら 受け入れられるのに

そうならないあなたが 寂しいの


境界線 誰もが持っているもの

境界線 超えてはならない一線



出会った頃は 終わりに近くて

残りの時間を かき集めてた

迫り来る サヨナラの瞬間が怖くて

無意識に 境界線を張っていたよ


これ以上 傷つきたくないから

これ以上 失いたくないから



境界線 あなたはワケ知り顔で

境界線 他者との間に線を引く


一緒に倒れてしまわないためにも

適切な距離が 必要なのだと


そんな事を 聞きたいわけじゃないの

ただ そばにいたかったのに


拒絶の刃が 心を貫く

線を引く前に 血が流れてる



境界線 生と死の狭間に在りて

境界線 人を永遠に分かつもの


適切な距離を いくら語っても

片方が消えてしまえば 意味がない


そんな事を 聞きたいわけじゃないの

ただ そばにいたかったのに


砂時計が 時を告げる

もう手遅れだよと 砂零れ落ちる




もし 私が消えてしまうとしても

あなたは 境界線を引きますか?


もし 私が消えてしまった後は

あなたは 境界線を引きますか?


あなたの心の中に 生きていてはダメですか?

決して生きていく邪魔はしない

愛の力であなたを護るから


あなたの心の中に 溶けていってはダメですか?

決して忘れない記憶となって

あなたの人生の彩りになるから



今なら分かるよ あの時の自分

僕らの間に境界線はない 

あるのはただ 愛だけだ

そう言ってほしかった


今なら分かるよ あの時の自分

すべて受け止めるには切なすぎて

ただ そばにいることが答え

それに気づいてほしかった



心の奥で繋がるもの

どんなに孤独でも 一人じゃない

そこに愛の光があるなら


巡り合い 重なり合う縁

時間の砂が落ちるたびに

今さらながら気づいたんだ  



境界線なんていらない

愛は特別

すべての困難を乗り越えて

惹きつけ合う力だから



境界線なんていらない

君は特別

生と死を乗り越えた僕たちは

永遠の絆を手にしたのだから



【完】



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この詩は、共作小説【白い春~君に贈る歌~】の物語から派生した作品です。

第3章「繋ぎとめるもの、思いとどまらせるもの」において、三浦先生と紗良が話していた、「境界線」についての話。


【第8話】

「どんなに大切な人にも悲しい出来事にも、一定の距離で付き合っていかなければならないと思うんですよ。境界線を作ること。そうでなければ、自分を守ることができなくなって、いつか心が倒れてしまいます」

かつてカウンセラーの先生から言われた言葉だった。あれから十八年後に、こうやって同じ言葉を誰かに伝える番が来るとは思ってもみなかった。

「あ、それって……。ご自身の経験から見つけたことですか?」

「え、まあ。はい。でも同時に、絶対に自分と繋がっているものが、必ずあると思うんです。それを見失わずに、心の真ん中に置いてくださいね」

亡くなった山本さんについて思い悩みすぎないよう、紗良にアドバイスをくれた三浦先生。

ところが、そんな三浦先生が教えてくれた「境界線」という言葉が、紗良の心に引っかかってしまいます。


【第9話】

生と死の間の「境界線」。

絶対に越えられない、深い溝だ。

エッセイ集を読んでからというもの、三浦さんを近くに感じていたのに、「境界線」という言葉を聞いてから、なんだか胸が痛い。

私が三浦さんに詩を書いていたことは、「境界線」を超えることなのだろうか?

そして私はもうすぐ、別の「境界線」の向こう側に行ってしまう身だ

死にゆく私から詩を書かれても、邪魔なだけなのではないか?

三浦さんにとって私は、いつものように死んでいく患者の1人に過ぎないのだろうか。

三浦さんが傷ついて倒れてしまわないように、適度に「境界線」を引いて距離をとるべき存在なのだろうか。

こうして勃発した、「境界線」問題。

この疑問に、さらに絆を深めた紗良・レンならどのように答えを見つけるのか。

そんなことを考えていたら、詩の形で作品化となりました。

確かに、精神科の先生が仰るように、依存し合い、倒れてしまわないように、人との適切な距離感というものは必要です。

ただ、すぐそばに死が横たわっているのにも関わらず、強い絆を築いた紗良・レンならば、死という境界線をも乗り越えた何かが残るのではないかな、と思いました。

それは、相手を大切に想う愛であったり、光であったりするのだと思います。


まさに、「白い春」の余韻とも言える詩となりました🌸

生と死の境界線について考えるきっかけに。

そして、「白い春」ファンの皆さんに楽しんでいただければ幸いです。





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#白い春

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