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【月刊お気楽フリーランス論 sidestory#12】 コンビがコンビでいる理由。

吉河です。時々中川のアカウントを乗っ取ります。

ケロジャパンの年末恒例行事がこちら。

「オイ、弊社には年を越せる米はあるノカ?」
「あるであります」
「そうか。ワシは金策に走らなくていいノカ?」
「大丈夫のようであります、社長」

中川は佐賀に行きましたが、今年もなんとか年を越せそうです。

先日オリエンタルラジオが、2020年の年末で吉本興業を退所することを発表しました。中田さんだけでなく藤森さんも!? という感じで、ネットでは驚きをもって受け止めた声も多く見受けられました。私も退所会見のYou Tubeを見ながら、コンビについてつらつらと考えてみたりしていました。

片方がアレをやりたい、コレをやりたいという時に、もう片方はどう受け止めるのか。お互い違うことをやるのなら、コンビは解散してもいいのではないか。でも、綾部がアメリカに行ってもピースはそのままだし、活動休止しても嵐は「解散」ではない。コンビ(グループ)ってなんでしょうか。相方って、どうやって見つけるのでしょうか。

中川は自分と私のことを「バカ社長と有能秘書」と表してくれました。秘書っていうと、事務作業きっちり整理整頓ばっちり、データはすぐにぱぱっと出てくるし、スケジュール管理も各所気遣いも大の完璧、朝は早起き夜もぐっすり、メイクはキリッと糊のきいたシャツをビシッと…みたいなイメージですが、いやはや私はまったくその逆で……。

ただ、ケロジャパン結成10年、コンビはコンビになってゆくんだなあという思いはあります。

私たちの場合、学生時ではなく卒業してから話をするようになったというのがユニークなところではありますが、同級生というのはやはり一つ大きな要素。どちらかが他の大学に行っていたら会えていないわけで、運命たるやしみじみ、です。

BUMP OF CHICKENだってGLAYだってダウンタウンだってサンドウィッチマンだってオードリーだってNON STYLEだってハライチだって、バンドやお笑いコンビの同級生は枚挙にいとまがありません。

(やべ、大きく広げすぎた。)

同じ学校の試験をくぐり抜けているので、教養度合いがだいたい一緒。同じ学費を払っている家の子なので、金銭感覚も理解できる。もはや家族のようなもので、かなり楽に過ごせます。

あと、必ず誘う側と誘われる側がいるわけですが、誘う側が「こういうやつがいたらいいな」というのが明確にあるのと、誘われる側が「この人と一緒だったらこの先なんか面白いことができそうだな」と思うこと、これが案外大事な気がします。

私はこれまで、結構な回数「どうやったら一緒に仕事する人を見つけられるのか」と訊かれてきました。その度に、結構返答に困っていたのですが(だってたまたまだから)、最近わかったのは、誘う側が、「どういう相手が欲しいかがはっきりしている」場合、結構いいコンビになるのではないかということです。

少人数で、一緒に仕事をする人を探している人あるあるなのが、「誰か人手がほしい!仕事をこなしてくれる人だったら、誰でもいい!」というもの。とにかく人手が足りないから、猫の手も借りたいのでしょう。でもそのパターンで、またあるあるなのが、「雇ってみたけどやっぱりウマが合わなかった」です。

まあね、誰でもいいからって内心思ってる人のところに、便利屋みたいに雇われただけじゃ、お互いに愛情はないもんね……。誰でもいい、じゃ、やっぱり人は根付かない。ツッコミ役の人が欲しいのに、本当はボケ役が向いている人にツッコミ役をさせていたり、ツッコミはツッコミでも自分のボケに対する的確な間合いのツッコミじゃない、みたいなもんです。そりゃ仕事やりにくいよ。

あ、ちなみに中川の場合、私に対しては「なんかこのよくわからん状態を整理してくれる人急募!!」という感じでした。なんにもはっきりした業務内容ではないように見えて、はっきりしていないことがはっきりしている。そのくらいでも、相手に求めるものをはっきりさせておいたほうが、相手も仕事がやりやすいというものです。

あと2人でやっていて、うまくいくコツがあるとしたら、(ケロジャパンの場合)コンビ内が完全に同じ立ち位置ではないということ。ツッコミとツッコミはいらない。ツッコミとボケのように、最初から、役割分担がなんとなくある。それは四角四面に決めることではなくて、なんとなく得意分野のほうをやるってこと。中川が前に出て仕事をとってくるのが得意なら、私はその処理をまわしていくほうだったというだけです。

なので、ケンカにもならない。だってツッコミの人にボケの仕事させようと思わないみたいなことだし、同じ目的のためだったら、互いの意見をちゃんと話し合って、生産性がある落とし所をみつけるだけ。

一緒に仕事をしていくうちに、「こういうときは中川くんがツッコミ役をやって私がボケ役をしたほうがいいよね」「ごめん今こういう状態だから、中川くんボケ役になってくれないかな」というふうに、随時立ち回りを相談して、ケースバイケースで立ち位置を決めてきたような気がします。

中川が佐賀に行くと言ったときに、実は中川は、会社をたたみたいと言いました。中川のつくった会社なので、私もそれには従おうと、素直に思ったんです。当初は。

でもいろいろ話をすすめていくなかで、実務上、中川を野放しにしたら決算とか確定申告とかどうなるんだよ……という心配があったのと、仕事を整理するだけなら会社をたたまなくていいこととか、ケロジャパンとしてここまで頑張ってきたんだから、あとは自由にしていてもいいから、いったん残そう、という説得を私がしました。

だって、中川が佐賀に行って、新たな人脈とか仕事とかみつけてきて、それからまたいつかケロジャパンとして2人で関わる仕事があったりしたら、面白そうじゃん。

2009年に、中川からいちばん最初に誘われた時の感じを思い出したんです。だから会社を残したのは、私のワガママ。だから私が頑張らなきゃいけない。

立ち位置って大事だよね。自分の仕事を、自分がわかっているっていうことだから。あ、あと最後にもう一つ。中川くんの好みのタイプに自分が当てはまらないから私も逆に居心地いいんだと思う。来年もまたよろしくね!

―今年も一年、ありがとうございました―







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随時、吉河が裏話を挟みます。こちらは無料! 「あの時、裏ではこういうことが……」ケロジャパン秘話が盛りだくさん。サイドストーリーもお楽しみいただければと思います。

フリーになってから19年、ネットニュース編集を始めてから14年、本が売れてから11年、そして会社をY嬢こと吉河と始めてから10年。一旦の総…

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