中川 浩孝(なかご)
外資系翻訳あるある・番外編・スパムメールをレビュー
見出し画像

外資系翻訳あるある・番外編・スパムメールをレビュー

中川 浩孝(なかご)
これまでの外資系翻訳あるある
直訳は万能ではない
言語が違うと語順が違う(ことがままある)
原文にはない言葉が現れることがある
訳すと長い言葉になってしまう
フォントを侮ってはいけない
100%同じ意味の言葉は他の言語にはない(と思ったほうがいい)
小数点問題
これは何順ですか?
なぜ気にする必要があるのか?

前回の記事でメールの日本語が怪しいとスパムなのかと思ってしまう、ということを書いた際、いくつかのスパムメールの内容を改めて確認してみました。普段はさらっと見てスルーするわけですが、こうやって細かく見ていくと、それはそれでネタとして面白いなと思ったので、以下にまとめてみました。

まずは日本の企業である楽天から。楽天から来る日本語がおかしいとなると、訳とは関係なく、怪しいビジネスである可能性が相当高いな、と思ってしまいますよね…。

はい、それでは 1 つ目です。

画像1

まず「レコード活動」とは何ぞや、と…。そして、最後の「ありがとう」。こなれていない感満載です。句点が抜けていたりもして、全体的にヤバい感満載です。

2 件目。

画像2

ロゴが入ってきました。HTML メールになると、ぐっと信頼度が上がるような気はします。ですが、いきなり楽天からの「ご挨拶」。日清サラダ油セットかなにかでしょうか。木原光知子さんの姿が脳裏をよぎります。(今は日清オイリオギフト…。)そして、「少し尋常ではないので」。「尋常ではない」とはただごとではない感じが伝わってきますが、「少し」尋常ではない、というのはどの程度なのか、想像しにくい…。

はい、3 つ目。

画像3

まずは送信元に注目です。『樂』天て。明治時代の会社か!そして、「更新してください知らせ」。読点や改行など、ヤバヤバです。極め付けは「必要・ェあります」。これをスパムと見抜けない人がいるのであれば、日本語を一から勉強しなおしていただきたいものです…。

4 つ目。

画像4

お客様!と言われましても…。そして、「可能性がありま」「確認できま」言い切れないハケンの大前春子か!とツッコミを入れたくなります。そして、「必要」にはどうしても「ェ」を追加したくなるみたいです…。そして、「寿」どっから来た??

5 つ目です。なんか、ついてきてますでしょうか?自分が楽しいからやってるだけみたいになってきているような気はしますが…。続けます。

画像5

楽天安全センター。どこにあるんでしょうね。クリムゾンハウスにあるんでしょうか…。内容はほぼ同じですが、カードが期限切れになったか。という部分で改行されていて、また味わい深いものとなりました。

楽天シリーズ最後の 6 つ目。

画像6

深 刻、そして、親 愛、無 効。なぜかスペースを入れたくなる人のようです。そもそも、親愛なるメンバー、って…。

楽天だけでこんなにありました。

続いてアマゾンの例です。1 件目

画像7

正直、このメールはだいぶまともです。送信元がメールアドレスだけでなければ、まともに読んでしまっている可能性もありです。特に気になるのは「誤っている故に」でしょうね。故に、なんて言い回し、我思う、故に我在り、くらいしか思い浮かばない…(笑)。

2 件目。

画像8

楽天での親愛なるメンバーに続き、「尊敬する客様」いただきました…。しかし、新しいデバイスからのサインインくらいで、なぜ支払方法の情報を更新しないといけないのか。論理の飛躍にもほどがあります…。

3 つ目。

画像9

こちらは日本語部分ではほぼ問題ありません。そういう意味では脅威です。なんですが、マイストア?、タイムセール?と、文字化けが起こってしまっています…。細かいですが重要です。

4 件目。

画像10

こちら、さらっと読むとそんなにおかしくないかな、という気はしますが、本メールは安心・安全のために〜〜ご確認いただくようお願いいたします。と内容が若干ねじれています…。一部のアカウントがアクティブではなく、というのも、よく考えると何を言っているんだろう?となります。そして「弊社のサービスを継続したいの場(合)」という言い回し。何より、このメールは複数の宛先が入っているという時点で完全アウトなのでしたけれどもね…。

アマゾンの最後、5 件目です。

画像11

『Amazon異常』はなかなかのパワーワード…。そして、異常は検出されました、という他人事感。

続いて、アップルも 4 件ほど。まずは 1 つ目。

画像12

また来ました、「ご挨拶」。少し尋常ではない、も聞き覚えがありますね…。同じ機械翻訳を使ってくれているおかげでしょうか。逆にパターンが見つけやすくなります…。

2 件目。

画像13

これもぱっと見ではスルーしてしまうかもしれません。が、細かく見ていけば、一部の情報が失われるため、であるとか、アカウントからアプリを使用してダウンロードすることはできません、とか、「??」な内容です。が、これも複数の宛先が入っていたので、その時点でアウトでした…。

では 3 件目。

画像14

安全提示問題!そして、「私たちは」を入れてしまうところで、日本語を完全にマスターしていない感が出てしまいますね…。なお、こちらも複数宛先が入っていました。

最後の 4 件目。

画像15

はい、最後に大物来ました…。「見つかり」…。タイトルから文章が途切れるというインパクトで、不安感を煽ってくれます。「異常は発生しますので」とは、万物は流転する、くらいの真理!

まあ、こうやってスパムの文章がちょっと違和感あるよね、というのをイジって遊んでいるわけですが、これがもし全く違和感ないこなれた日本語になってしまったら、どうでしょう。スパムかスパムでないかの判断の大きな決め手が減ってしまい、スパムに騙されるリスクが上がるわけです。

逆説的に日本語翻訳の重要性を伝えようとしているわけですが、こうした犯罪者がネイティブチェックをかけたりし始めたら、ヤバイです。なので、こんな記事を読まず、これからもちょっとクスっとできる不思議な日本語を届けてほしいと思います…。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
中川 浩孝(なかご)
旅行大好き、航空オタク。最近はクルーズがもっと日本で人気になるといいなと思っています。ディズニー(パーク)ファン。食べるのが大好き(グルメフードからジャンクまで)、料理も好きです。仕事では、主に外資系のIT企業でマーケティングを担当してきました。北カリフォルニアに住んでいます。