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外資系翻訳あるある・なぜ気にする必要があるのか?

これまでの外資系翻訳あるある
直訳は万能ではない
言語が違うと語順が違う(ことがままある)
原文にはない言葉が現れることがある
訳すと長い言葉になってしまう
フォントを侮ってはいけない
100%同じ意味の言葉は他の言語にはない(と思ったほうがいい)
小数点問題
これは何順ですか?

上記で、このシリーズを始めようと思ったときに書こうと思ったネタは網羅しました。また思い出したり、思いついたりしたら追加していきたいと思います。こんなのもある!というのがあれば、ぜひ教えてください。 

さて、今回書く内容は、初めに書くべきだったのかもしれません。でも、元々は同じような経験をしている人たちとの情報共有というか、「あるあるだよねー」という話題としてまとめていたので、「どうして気にするべきか」というのは、当然普段から意識している内容だったので、特に書かなくてもいいかな、と思っていました。ただ、何人の方から、ここまで気にする必要あるの?的なコメントをいただき、「ん〜、なるほど、そんなに気にならない人もいるのか」と逆に面白いなと思いました。

というわけで、こんな細かいことをなぜ気にするべきなのか?を書いておこうかと思います。

まず、端的に言ってしまうと、気にする人がいるから、です。気にしない人にはどうでもいいことですが、気になる人には気になって気になって仕方ないからです。

では、なぜ気になるのか。

1. 怪しい日本語は怪しいビジネスを連想する

日々受け取るスパム。みなさんも普段から怪しい日本語を目にしているのではないでしょうか。

メールでこうした怪しい日本語を見たとき、「このメールは本当にちゃんとした会社から送られてきたのかな?」と疑います。そして、怪しいから無視しよう、読まないでいいや、という判断をします。

これがあなたの会社の本物のキャンペーンのメールだったらどうでしょう?細かいことを気にする人には、このキャンペーンメールを読み飛ばすことになり、内容が伝わらないことになります。ビジネスの機会損出です。

2. 日本市場へのコミットメントを疑われる

「これはネイティブチェックしてないのかなあ」「機械翻訳使ってるんだな」と思われ、「この会社は本当に日本市場でやる気があるのかな?」という疑問につながります。

初めの段階でケチがついた製品は、その後もその汚名を返上できないままになることも多いのです。そもそも新しい製品を評価するのは厳しいアーリーアダプターの目。もちろん翻訳の質ではなく、製品の面白さを読み取れる懐の深い人の多い業界ではありますが、第一印象は大切だと思います。

当然、「いきなり日本法人なんて作れない」「初めからローカリにそんなにお金かけられないよ」というスタートアップもたくさんあるでしょう。その場合はコミットメントを別の方法で示すこともできるのではないでしょうか。メディアにインタビューで露出していく、ユーザーと直接対話する、などなど。

せっかく素晴らしい製品やサービスがあっても、上記のような理由で受け入れられない、使われないのであれば、実に損なことです。コストとリスクを天秤にかけているとは思いますが、広告をガンガン回すくらいなら、まずネイティブチェックをしてほしい!と思います!

ところで、1. のネタとして自分の受け取った怪しいメールを紹介しようと思って探していたら、本当にすごい量があることに改めて驚かされました。面白いので次回スパムの日本語を見て行きたいと思います。



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