勝手に新連載『プラス マイナス 0』 第1回 「飽き性ってただの言い訳じゃない……?」

 エッセイの連載を始めようと思う。エッセイとは?コラムと何が違うのか?調べてみた。得意のグーグル先生頼みだ。

 エッセイ[essay]自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想。対して、コラム[column]新聞・雑誌などで、線で囲んだちょっとした記事。囲み欄。つまり内容は同じであっても、何らかの媒体に掲載する場合はコラム、自由に書く場合はエッセイ、という風に私は解釈した。”勝手に新連載”、まさに、誰かに頼まれたわけでもお金をもらって書く訳でもない。自分勝手に文章を書き、勝手に読ませようとする試みだ。

 なぜこの連載を始めようとしたか。理由は2つある。

 1つは、文章力の衰え防止だ。普段、LINEやらSNSやらで文字を打っていると、まあ見事に文章を書く力は後退する。「今日何時?」「12時」「了解」「楽しみ」「www」。短縮されたコミュニケーションは文明進化の成果だが、何か大事なものを少しずつ手放していっている気がする。この文を書いている今も自信が持てないでいる。定期的に真面目な文章を書くことでこれまで失ったものを取り戻したい。ちなみに、毎月10日更新を予定している。

 もう1つは、私の尊敬する松尾スズキがエッセイを連載しているからだ。こちらの方が理由の大部分を占める。最近だと、雑誌GINZAの『人生の謎について』。(雑誌で連載ならば、コラムではないか?とも思ったが、松尾スズキが「エッセイ」と言えばエッセイなのだ。グーグル先生よりも松尾先生が正しいのだ。そういうものだ。)雑誌の裏表紙をめくると1ページ分のエッセイがイラストと共に書かれており、もう3年くらいになるだろうか、私はそれを毎月楽しみにしている。9月に単行本化され、現在購入を検討中。表紙やサイズ感などそそられるものはあるが、中身はほぼ全て把握している。迷う。


 自分には持続性がないと思う。

 飽き性もあるのだろうが、一極集中型というか、長く細く続けることが難しい。例えば、”毎日通勤時間中に本を読む”という行為は絶対にできない。私の場合、一度読み出すと読み終えるまでは止められない。昔、旅行の移動中に読もうと用意した本があまりに面白く、観光そっちのけで熟読し、旅館でも徹夜した。今考えると、非常にもったいなかった。また、少しずつ読むと内容が把握できず、(私の記憶力の問題だろうが)ページを戻ったりしなくてはいけないのでイライラする。

 アニメやドラマも同じで、ワンクールを予約録画し最終回まで録り終わったら一気に観る。これも深夜までかかることが多い。最近はNetflixやアマゾンプライムを導入したせいで、以前よりさらに睡眠時間が削られてしまっている。海外ドラマを観始めた日には、数日間抜け殻のように画面を見つめてしまうのだ。他にも、”毎晩お風呂を出たらストレッチする”とか”毎週水曜日は映画に行く”とか、なんというか、こう書いてみると日常に取り入れる系、いわゆるルーティン的なものが苦手のようだ。

 そのような自分の性格を分かっているからこそ、この連載は月1回の更新にした。月1なら、まあなんとか。毎日コツコツやることではないしできるだろう。

 しかしながら。この第1回の投稿を書き始めたのは2021年の2月だった。9ヶ月前である。エッセイの連載をやりたいと思い、とりあえずnoteのアカウントを取得したはいいが全く着手せず。9月ダメ、10月ダメ、で、現在11月。「流石に年内には始めたい……!」ということで、慌てて書いている訳である。

 勘違いしないで欲しいのは、文章を書くことは好きなのだ。ただ、勢いや”他人に定められた締切”がないと書けないのだ。いやいや、それはただの言い訳だし、良くないことだし、自分に甘いのはいいけれど結果として自分の首を絞めているし。この性格関係で痛い目にあったことも、周りに迷惑を掛けたこともあった。(それは今後連載の中で書いていくと思うが)分かってはいる。が、未だ改善はできていない。

 できてはいない。だが、とにかく今日、私は第一歩を踏み出すことになる。月1更新を公言した以上、もう後戻りはできない。書くしかない。書いて書いて、最終的には松尾スズキのように書籍化したいな、なんて夢を見るくらいにはやる気に溢れている。ああ、今「そんなこと言って大丈夫?後から苦しむのは自分じゃない?」と心の声が聞こえた。こうしてささやいてくることはよくある。

 「もう十分に引き延ばしただろう」勇気を出して言い返した。当たり前だが、どこかで変わらなければ一生変わらないままなのだ。心の、つまりは自分の反論を無視して、投稿ボタンを押した。

 私は連載を続けられるか。今は未だ分からないが、どうか見届けてほしい。

 勝手に新連載『プラス マイナス 0』始めます。


NEXT 12月10日

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