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トップダウン型組織のメリットとデメリットとは?

どうも!ブランドコンサルタントの中江です。

さて、今回のテーマは「トップダウン型組織のメリットとデメリット」です。

あなたはどのような形式で組織を運営していますか?

と聞かれたら、ほとんどのリーダーは「トップダウン型で運営している」と答えるかと思います。

1.トップダウン型組織とは

組織は、様々な個性を持つ人々が、同じ目標・目的を目指す集団です。

ここで問題になってくるのが、集まってくる人たちが様々な個性を持っているということです。

どこの組織でも所属メンバーを見れば、年齢も性格も価値観も得意なことも不得意なことも経験も違います。

一人として同じ人はいません。

元々は全員バラバラな方向性を持っている訳で、この足並みを揃えて、同じ目標・目的を追っていく集団に変えていかなければなりません。

その時に、ほとんどの組織で採用されているのが「トップダウン型」と呼ばれる組織の運営スタイルです。

トップダウン型組織では、ピラミッドの階層構造の上部にいるリーダー層が方向性に関する意思決定を下し、リーダー以外のメンバーがその意思決定に従うという形で、集団としての方向性を揃えていきます。

会社で言えば、トップに経営者がいて、中間に管理職などのリーダー層がいて、その下にメンバー層の一般社員がいるようなイメージですね。

例えば、健康食品を扱う通販サイトを運営している会社があるとします。

この会社がトップダウン型で組織運営をしているのであれば、「年末のプロモーション」の仕事の進め方は、次のようになります。

まず、プロモーションを担当している部署のリーダーが

✅売上目標
✅売上目標を達成するための戦略(商品・プロモーション方法など)
✅ 部署に所属する各メンバーがいつまでに何を実行するのか

などの方向性を決め、具体的な指示をメンバーに出します。

メンバーの意見などをよく汲み上げるリーダーもいますが、最終的な意思決定権はリーダーにあるので、最終的にはリーダーが方向性の意思決定をします。

そしてその上で、メンバーはリーダーが下した意思決定に従い、指示された仕事を指定期日までに実行していきます。

リーダーは意思決定をし、指示を出した後は、メンバーの行動を管理していきます。

リーダーは意思決定と管理に徹し、メンバーは実行し、結果責任はリーダーが負うという訳ですね。

多少の違いはあれど、多かれ少なかれ、ほとんどの組織はこのような形態で運営されているかと思います。

2.トップダウン型組織の3つのメリット

次に、トップダウン型で組織を運営していくメリットについて。

2-1.意思決定から行動までのスピードが迅速

1つ目のメリットというのは、意思決定から行動までのスピードが速いということです。

トップダウン型の原則は

リーダーの意思決定にメンバーが従うこと

です。

なので、リーダーが意思決定をすれば、メンバーは即座にその方向性に動くので、スピーディに物事が進みやすいです。

「リーダーが右を向け」といえば右を向き、「Aという作業を○○までに仕上げろ」と言えば問答無用でやってくるのが、組織を成り立たせるためのルールです。

全員の意見を聞きながら、全員が一致して賛成と言うまで、議論し、納得してから行動を起こす

という訳ではないので、とにかく早いのです。

2-2.リーダーの意思を全体に反映させやすい

2つ目のメリットは、リーダーの意思を組織全体にスピーディに反映させやすいということです。

トップダウン型組織はある意味で

リーダーが言うことが絶対

という原則に基づいて、運用されるので、リーダーが決めた一定の方向性に向かって、全員がまとまりやすいです。

この意思決定が正しければ大きな成果を挙げることができ、間違っていれば、大きな損失に繋がるというのも特徴です。

2-3.集団としてまとまりやすい

3つ目のメリットは「スピーディに集団としてまとまりやすい」ということです

リーダーは意思決定することが仕事であり、メンバーはリーダーの意思決定に従うことが仕事

という原則があれば、バラバラな個性を持つ人が集まったとしてもすぐに集団として同じ方向を向き、まとまることができます。

特にこれは短期決戦で何か物事を進める時には有効に働きます。

例えば、これから2週間の選挙期間があるとして、そこに様々な個性を持ったボランティアの人たちが集まるとします。

ボランティアの人たちは、それ以前にはお互い面識がないとします。

互いを知らない同士なので、関係性も薄いですし、同じ方向に向かう集団としてまとめ上げるのは大変ですが、トップダウン型の

リーダーの意思決定にメンバーが従うこと

という原則があれば、すぐに上手くまとまります。

優秀なリーダーが意思決定を下し、メンバーがそれに付き従うという構造があれば、短期的にも大きな売上を立てていくことはできるでしょう。

3.トップダウン型組織の3つのデメリット

ですが、トップダウン型組織には大きなデメリットもあります。

3-1.メンバー全体の意欲が低くなる

まず、一つ目のデメリットが、メンバーの意欲が全体的に低くなるということです。

トップダウン型という組織の運営体制を取ってしまうと、どれだけ経営者が優秀であっても、従業員想いであっても、メンバーの意欲が低くなることは様々な調査結果で証明されています。

実際に日本企業のほとんどはトップダウン型組織で運営されている場合が多いのですが、様々な調査結果で、「従業員の働く意欲が低い」というデータが出ています。

例えば、米ギャラップ社の調査によると、日本企業で働く社員の中で

✅ 熱意ある社員は6%
✅ 熱意が低い社員は71%
✅ 熱意が全くない社員は23%

というような調査結果が出ています。

つまり、組織に100人がいたら6人しか、仕事に熱中していないということですね。

あくまでもこの数字というのは、各企業の従業員エンゲージメントの平均値ではありますが、肌感覚として実感できる数字だと思います。

では、トップダウン型組織では、なぜ意欲が低くなってしまうのか?

これは人の意欲の源泉というのが「オーナーシップ」にあるからです。

オーナーシップとは

自らが所有し、コントロールできる状態にある

と思える感覚のことです。

トップダウン型の組織では、階層構造の上の方になるほど、このオーナーシップが高く、階層構造の下の方になるほど、オーナーシップが低くなります。

例えば、企業において、最もオーナーシップが高いのは社長です。

✅どんな事業をこれから立ち上げるのか?
✅どんな目標を立てるのか?
✅誰をリーダーとして採用するのか?
✅どんな経営理念を掲げるのか?
✅自分や従業員の給与をどれくらいに設定するのか?
✅どんな部屋で仕事をするのか?
✅いつ出社するのか?

といったあらゆる事柄に関して、社長は基本的に、誰よりも強い権限を持って自由に決めることができます。

社長にはこれだけのことを決めることができる、権限や情報といったものが与えられているからです

では、一方で、新入社員はどうでしょうか?

恐らく、今お伝えしたような組織全体の目標・社内制度・働き方・仕事の役割や進め方・給与など、あらゆる方向性の意思決定に関われないことがほとんどでしょう。

仮にその点に関して、何か問題意識や意欲を持ったとしても、自分の立場ではどうしようも状況を変えることができないというのがほとんどだと思います。

例えば

上司への業務報告は手書きで書類で提出しなければならない

というルールがあったとします

そこである新入社員が

手書きよりもパソコンの方が効率的で報告作業の時間が短く済むのではないか?

という意見を上司に進言するとします。

大抵のトップダウン型組織だと

仕事も一人前にできないくせに、会社のルールに対して文句を言うな

と一喝して、終わると思います。

自分が何か課題を見つけて「変えた方が良い」と思って行動しても、状況が変えられない。

これがまさにオーナーシップが低いという状態です。

トップダウン型組織では「リーダーが言うことが絶対」なので、この対応というのはある意味正しいです。

3-2.思考停止の指示まちのメンバーが増える

ですが、その結果、どういうことが起こるのか?

人は「自分が動いてもどうしようもないこと」に対しては無関心になり、考えなくなります。

というのも、ここから更に「部長にも、会社全体ににもプラスになるような業務報告の在り方」を考えても、また部長に一喝されるだけなのであれば、考えても意味がないからです。

トップダウン型組織では、このように仕事全体に「無関心」の領域が自然と広がっていき、気づけばメンバーは

リーダーの言うことが絶対。リーダーの言うことだけを守ろう

という思考回路になっていきます。

これは逆を言うと、リーダーの指示がなければ、何も動けない指示待ちのメンバーが増えることを意味します。

指示まちで、何も考えていないメンバーが多いかどうかは、大抵の場合、ミーティングを開けばわかります。

例えば、ミーティングを開いても、毎回、発言する人が限られていたりする場合は要注意です。

ミーティングで発言する人は、常にそのテーマについて考えているから発言できる訳で、発言できないのはそのテーマについて何も考えていないからです。

これは、あまりにもオーナーシップが低く、仕事に対しての無関心領域が広がった結果として起こっている訳であるので、発言しない本人だけが悪いのではありません。

3-3.優秀な人材から組織を去っていく

こうなってしまうと、リーダーはリーダーで大変です。

メンバーの意欲は全体として低い訳で、そういった人たちを何とか束ねて、結果を出さなくてはいけないので。

結果として起こるのは、膨大な仕事量と大きな責任に耐えかねた、優秀な人材であり、会社の中間のリーダー層から辞めていくという現象です。

優秀なリーダーや将来有望な若手から辞めていく

という現象に多くの経営者が頭を悩ませる訳ですが、これはその経営者が悪いわけでも、従業員が悪いわけでもありません。

トップダウン型組織という性質上の問題なのです。

トップダウン型組織は、短期的に様々な人をまとめ上げて同じ目標・目的達成に向かわせることはできますが、長期的には、所属メンバー全体の意欲が低くなってしまうので、組織は瓦解していく傾向にあります。

というのも、組織を成立させるのは、メンバーの意欲だからです。

メンバーの意欲が低い状態では、素晴らしい商品・サービスを提供することもできなければ、課題を解決するアイディアやイノベーションを起こすことはできません。

では、一体どうすれば良いのか?

トップダウン型組織に代わる組織運営の方法はあるのか?

このことについては長くなるので、次回以降の記事やLINEで詳しくお話していきたいと思います。

最後に

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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