手作りマグカップと量産マグカップ
小代焼中平窯の西川です(^^)
今回は手作りの器と量産の器の違い、それぞれの良さについて考えていきます。
私は手作りで小代焼のマグカップを作っていますが、
私は小代焼が好きで、
私にとって良いと思っているマグカップを作っているだけなんですよね。
↓私が好きな焼き物について↓
よく量産品と対立しているように考えられてしまうんですが、
良さの種類が違うだけと言いますか…社会における役割が違うだけと言いますか…。
この二つを比較すること自体は良いと思うんですが、
比較したうえで上下関係や優劣をつけようとすることは
「100メートル走選手とマラソン選手を競争させているようなもの」
だと思っているんですよ。
そこで今回は、私が思うそれぞれの良さを文章にしてみます(^^)
手作りマグカップ
何と言っても一個一個違うことが魅力です。
100個同じ形なのに一個だけ違うとなれば、
それはエラーになってしまうと思うんですが、
全てが違うからこそ、お客さんの手(指)に合うものを選んでいただけると思っています。
実は、
私は成人男性としては手が小さく指も細いので、
私が使いやすい物ばかりを作ったら男性のお客様が来た時に
「…あれっ?…なんか全部小さくない?」
となっちゃいます(^^;
ですので、常識の範囲内ではありますが、
ある程度取っ手の形やサイズが違うことは良いことだと思うんですよね。
私にとって少し小さい物 ~ ちょうど良い物 ~ 大きい物
↓
平均的な女性 ~ 手の大きな女性と手の小さな男性 ~ 平均的な男性
※『平均的な手のサイズ』の話をしているだけで、性差別的な発想はありません。
言わなくても分かるとは思いますが、念のため。
釉薬の色味や素地の細工、
そして小代焼の特徴である流し掛けは即興的な技法となりますので、
同じ寸法で作っても、全てが一点物です(^^)
焼き物好きなお客様にとっては、選ぶ時間そのものが楽しい時間となります。
私も他の窯元さんへ行くと楽しいです~!
量産マグカップ
逆に量産マグは一つの原型を作れば数千数万と同じ形で作られる可能性があるため、
原型作りはずっとシビアに行われなければいけません。
取っ手のサイズ、形状への厳しさは
とても私にできることではありません(-_-;)
可能な限りの最大公約数を探す仕事だと思っています。
(量産品のデザインをお仕事にされている方、もし解釈違いでしたらごめんなさいね。)
この原型を作る人は、
私がやっているような手仕事の取っ手付けはできないでしょう。
しかし、私もその人の仕事を代わりにやることは出来ません。
そして、
もう一つの大きな魅力はその安さでしょう。
手作り陶器を選ぶような楽しさは無いかもしれませんが、その安価性によって
日本の陶器文化を土台から支えてくれている存在だと思っています(^^)
陶器文化の土台があればこそ、
100人に1人でも手作り陶器に興味を持っていただけるお客様がいるんです。
さいごに
手作り陶器も量産品も、それぞれの良さや役割があるというお話でした。
まあそれぞれの良さはありますが、
私は小代焼が大好きですので、
私は私なりに、
自分が良いと思う器を作っていきます(^^)
…まだまだ腕を上げなければですが…(>_<)
がんばります! それではまた~!
2023年7月13日(木) 西川智成
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